メインシステムのスピーカーを、やっと更改することが出来た。新たに導入した機器は、デンマークDynaudio社のEXCITE X32である。
ただし、この製品は現行モデルではなく、2013年にEXCITE X34にモデルチェンジされている。どうしてわざわざ前のモデルを買い求めたかというと、後継機種発売に伴い従来モデルのディーラー在庫品がとても安く手に入れられたからだ。何しろ私はケチなので、手出しする金は少ない方が良いのである(笑)。
とはいえ、決して“格安で売りに出ているから、とにかく買ってしまおう”という安易な姿勢で購入したのではない。このシリーズは以前から何度も試聴しており、そのパフォーマンスには魅力を感じていた。特にコンパクト型のEXCITE X12は、現在サブ・システムで使用中の英国KEF社のLS50と最後まで迷ったモデルである。だから今回の“在庫処分品”の話は、まさに渡りに船であった。
EXCITE X32はトールボーイ型と呼ばれるフロアスタンディング・タイプの製品だ。小型のブックシェルフ・タイプでは、クラシックの管弦楽曲の再生において十分なスケール感が得られない場合が多い。オーケストラ物もよく聴く私としても、用途に合った買い物だったと言える。残念ながら外観は定価に見合った高級感を醸し出しているとは言えないが、私はルックスをあまり気にしないタイプなので、まったく問題は無い。
さて、実際に我が家のリスニングルームで音を出してみると、思わず笑みがこぼれてしまった(^^)。
それまで使用していたスピーカーは、DIATONEのDS−1000ZXという製品であった。三菱電機がプロデュースし、長らく国産スピーカーの代表格として君臨していたこのブランドの、最後期のモデルである。同社がピュア・オーディオから撤退してかなりの年月が経つが、今でもDIATONEの4桁シリーズには根強いファンがいる。しかし、それに代わって自室に鎮座することになったDynaudioのスピーカーは、レベルの違いを見せつける。
最初に鳴らしたのはジャズ・ヴォーカルのディスクであったが、スピーカーの位置も細かく調整していない段階で、歌い手の声がセンターにビシッと定位したのには感動してしまった。これは以前のスピーカーでは実現出来なかったのだ。いくらセッティングを詰めても、インシュレーターやケーブルを替えても、ヴォーカルは左右チャンネルの真ん中から聴こえてこなかった。挙げ句の果ては“定位の悪いディスクは、元の録音が良くないのだろう”などと決め付けたものだ。しかし、今やそれは間違いで、本当は使っている機器の能力が劣っていたからだったことが分かる。
音像・音場の表現力は、DS−1000ZXよりも上質。目の前がパァッと広がったような開放感を覚えた。そして何より音色の明るさが心地良い。サウンドの各要素に生気が漲り、有機的な響きをもって聴き手に迫ってくる。レンジは広く、妙な特定帯域の強調感も無い。このブランドは鳴らすジャンルを選ばないことは試聴の段階から分かっていたが、自室でもどんなタイプの音楽を再生してもサラリと鳴らしてくれるのを目の当たりにするに及び、本当に嬉しくなる。
少し懸念していた手持ちのACCUPHASE社のアンプとのマッチングも悪いところは無く、本当に良い製品選びをしたものだと思う。・・・・まあ、我ながらホメ過ぎだという気もするし、上を見ればこれより優れたスピーカーはいくらでもあるのだが、今回の取得価格を考えれば文句の付けようが無い(^^;)。
(この項つづく)
ただし、この製品は現行モデルではなく、2013年にEXCITE X34にモデルチェンジされている。どうしてわざわざ前のモデルを買い求めたかというと、後継機種発売に伴い従来モデルのディーラー在庫品がとても安く手に入れられたからだ。何しろ私はケチなので、手出しする金は少ない方が良いのである(笑)。
とはいえ、決して“格安で売りに出ているから、とにかく買ってしまおう”という安易な姿勢で購入したのではない。このシリーズは以前から何度も試聴しており、そのパフォーマンスには魅力を感じていた。特にコンパクト型のEXCITE X12は、現在サブ・システムで使用中の英国KEF社のLS50と最後まで迷ったモデルである。だから今回の“在庫処分品”の話は、まさに渡りに船であった。
EXCITE X32はトールボーイ型と呼ばれるフロアスタンディング・タイプの製品だ。小型のブックシェルフ・タイプでは、クラシックの管弦楽曲の再生において十分なスケール感が得られない場合が多い。オーケストラ物もよく聴く私としても、用途に合った買い物だったと言える。残念ながら外観は定価に見合った高級感を醸し出しているとは言えないが、私はルックスをあまり気にしないタイプなので、まったく問題は無い。
さて、実際に我が家のリスニングルームで音を出してみると、思わず笑みがこぼれてしまった(^^)。
それまで使用していたスピーカーは、DIATONEのDS−1000ZXという製品であった。三菱電機がプロデュースし、長らく国産スピーカーの代表格として君臨していたこのブランドの、最後期のモデルである。同社がピュア・オーディオから撤退してかなりの年月が経つが、今でもDIATONEの4桁シリーズには根強いファンがいる。しかし、それに代わって自室に鎮座することになったDynaudioのスピーカーは、レベルの違いを見せつける。
最初に鳴らしたのはジャズ・ヴォーカルのディスクであったが、スピーカーの位置も細かく調整していない段階で、歌い手の声がセンターにビシッと定位したのには感動してしまった。これは以前のスピーカーでは実現出来なかったのだ。いくらセッティングを詰めても、インシュレーターやケーブルを替えても、ヴォーカルは左右チャンネルの真ん中から聴こえてこなかった。挙げ句の果ては“定位の悪いディスクは、元の録音が良くないのだろう”などと決め付けたものだ。しかし、今やそれは間違いで、本当は使っている機器の能力が劣っていたからだったことが分かる。
音像・音場の表現力は、DS−1000ZXよりも上質。目の前がパァッと広がったような開放感を覚えた。そして何より音色の明るさが心地良い。サウンドの各要素に生気が漲り、有機的な響きをもって聴き手に迫ってくる。レンジは広く、妙な特定帯域の強調感も無い。このブランドは鳴らすジャンルを選ばないことは試聴の段階から分かっていたが、自室でもどんなタイプの音楽を再生してもサラリと鳴らしてくれるのを目の当たりにするに及び、本当に嬉しくなる。
少し懸念していた手持ちのACCUPHASE社のアンプとのマッチングも悪いところは無く、本当に良い製品選びをしたものだと思う。・・・・まあ、我ながらホメ過ぎだという気もするし、上を見ればこれより優れたスピーカーはいくらでもあるのだが、今回の取得価格を考えれば文句の付けようが無い(^^;)。
(この項つづく)