(原題:VENOM: THE LAST DANCE )このシリーズはあまり評判が良くないようなのだが、個人的には嫌いではない。少なくとも、それまでの作品をほとんどチェックしておかないとキャラクターの把握すら難儀になってきた本家「スパイダーマン」よりも、悪役の一人をクローズアップして独立したハナシに持って行ったこちらの方が思い切りが良い。この3作目も最後まで退屈せずに付き合えた。
前作で怪人カーネイジを激闘の末に倒したジャーナリストのエディ・ブロックと、彼と“共生”している地球外生命体シンビオートのヴェノムだったが、結果として政府機関から追われる身となってしまう。そんな中、宇宙の果てに封じられている邪神ヌルが復権を狙う。ヌルは人間とシンビオートの完全合体型が発信する某コードが復活には不可欠であることから、ハンター役のクリーチャーを地球に送る。メキシコに身を隠していたエディらはヌルの企みを知り、シンビオートが複数体隔離されているネバダ州エリア51へ急行する。
エディ&ヴェノムのコンビネーションは相変わらずだが、今回は馬をはじめとする他の動物と“合体”するのが珍しい。さらに、緊急事態になるとエリア51に集められたシンビオートたちとスタッフの面々も適宜“合体”するのも面白い。
しかしながら、それだけではキャラクターの多様性レベルが低いかと思われた。そこで今回は興味本位でエリア51に向かうオカルトマニアの一家を登場させ、彼らとエディたちとの掛け合いに時間を割くというモチーフが用意されており、これがけっこう効果的だ。悪党でも政府関係者でもない一般ピープルに近い者たちを関わらせることによって、作劇が一本調子になることを回避している。クライマックスはヌル謹製のモンスターどもとエディたちとのバトルになるのだが、これがけっこう盛り上がる。
脚本も担当したケリー・マーセルの演出はパワフルで、アクションシーンもスピーディーに決まる。主演のトム・ハーディをはじめ、キウェテル・イジョフォーにジュノー・テンプル、リス・エヴァンス、ペギー・ルー、スティーヴン・グレアムといった顔ぶれも万全だ。なお、題名に“ラスト”とあるように、このシリーズは取り敢えずここで打ち止めになる。とはいえ、エディたちはマーベルの世界の住人なので、別のアメコミ作品で思いがけず登場する可能性もあるだろう。その時を楽しみに待ちたい。
前作で怪人カーネイジを激闘の末に倒したジャーナリストのエディ・ブロックと、彼と“共生”している地球外生命体シンビオートのヴェノムだったが、結果として政府機関から追われる身となってしまう。そんな中、宇宙の果てに封じられている邪神ヌルが復権を狙う。ヌルは人間とシンビオートの完全合体型が発信する某コードが復活には不可欠であることから、ハンター役のクリーチャーを地球に送る。メキシコに身を隠していたエディらはヌルの企みを知り、シンビオートが複数体隔離されているネバダ州エリア51へ急行する。
エディ&ヴェノムのコンビネーションは相変わらずだが、今回は馬をはじめとする他の動物と“合体”するのが珍しい。さらに、緊急事態になるとエリア51に集められたシンビオートたちとスタッフの面々も適宜“合体”するのも面白い。
しかしながら、それだけではキャラクターの多様性レベルが低いかと思われた。そこで今回は興味本位でエリア51に向かうオカルトマニアの一家を登場させ、彼らとエディたちとの掛け合いに時間を割くというモチーフが用意されており、これがけっこう効果的だ。悪党でも政府関係者でもない一般ピープルに近い者たちを関わらせることによって、作劇が一本調子になることを回避している。クライマックスはヌル謹製のモンスターどもとエディたちとのバトルになるのだが、これがけっこう盛り上がる。
脚本も担当したケリー・マーセルの演出はパワフルで、アクションシーンもスピーディーに決まる。主演のトム・ハーディをはじめ、キウェテル・イジョフォーにジュノー・テンプル、リス・エヴァンス、ペギー・ルー、スティーヴン・グレアムといった顔ぶれも万全だ。なお、題名に“ラスト”とあるように、このシリーズは取り敢えずここで打ち止めになる。とはいえ、エディたちはマーベルの世界の住人なので、別のアメコミ作品で思いがけず登場する可能性もあるだろう。その時を楽しみに待ちたい。