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Channel: 元・副会長のCinema Days
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超絶リアリズム絵画展に行ってきた。

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 先日、福岡市博多区下川端町にある福岡市アジア美術館で開催されていた「ホキ美術館所蔵名品展 超絶リアリズム絵画」に行ってきた。ホキ美術館は千葉市にあり、写実絵画を専門とするミュージアムだ。その所有作品はすべて日本人の現代作家たちによるもので、約500点を保有しているという。今回の展覧会は、そのコレクションの中から64点が選抜されている。

 タイトルにある超絶リアリズム絵画というのは、いわゆるスーパーリアリズム(対象を克明に描写する美術の潮流)に属するのだろう。私はこういうタッチの作品をまとめて観たことがなく、興味深く鑑賞することが出来た。また、我が国にこのような方法論を採用している作家が、現時点で少なからず存在していることも(恥ずかしながら)初耳だった。



 写真的なリアリティを追求することから、いきおい没個性的な手法だと思われるかもしれないが、素材を即物的に捉えて作り手のテーマに応じて配置していくという意味では、ポップアートに通じるものがあるという。なるほど、写真で用が足せればこのような手法は存在しないわけで、展示された作品はいずれも“現実とは異なる、もう一つのリアル”を醸し出していた。

 中でも気に入ったのは、大阪府出身の画家である原雅幸の「モンテプルチアーノ」だ。イタリアのトスカーナ州にある城壁に囲まれた美しい町の遠景を捉えたものだが、圧倒的な存在感と、光と影のコントラストが素晴らしく、いつまでも観てみたい魅力を湛えている。



 なお、福岡市アジア美術館(創立は99年)に足を運んだのは久しぶりだが、他の市内の美術館と異なり街中にあるのは珍しい(歓楽街として有名な中洲とも近い)。その名称通り、主にアジアの作家の作品を網羅した常設展示はもちろん企画展にも個性が感じられる。これからも面白そうな出し物があればチェックするつもりだ。

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