(原題:DEVOTION)2023年1月よりNetflixから配信。アメリカ海軍初の黒人パイロットと、彼の僚友である白人パイロットとの友情を描く実録映画。これは出来れば映画館のスクリーンで観たかった。それだけ映像に訴求力がある。正直、作劇は上出来とは言い難いが、某「トップガン」シリーズとは違って不自然な展開が見られないだけでも数段マシだ。
1950年、ロードアイランド州のクォンセット・ポイント海軍航空基地に赴任したトム・ハドナー大尉は、同僚となるジェシー・ブラウン少尉と出会う。ジェシーは米海軍初の黒人パイロットで、腕は確かだが日頃から人種差別に悩まされていた。最初はぎこちなかった2人の関係だが、訓練を通して互いの距離を詰めていく。やがて朝鮮戦争が勃発し、彼らが属する機動部隊は日本海に展開。北軍に占拠された半島のエリアを奪還するという、困難な任務に挑む。
上映時間が約2時間40分というのは、このネタでは長すぎる。そもそも、余計なシークエンスが多い。代表的なものは主人公たちがフランスのカンヌに寄港して、そこで人気女優と知り合った後にカジノ会場に繰り出すあたりや、そこで他の部隊員と一悶着起こすシークエンスだ。こんなのは丸ごと削って構わない。ジェシーの家族とトムとの触れ合いも、タイトに切り詰めて良かった。
しかし、それら難点があっても本作には魅力がある。それはまず飛行シーンの素晴らしさだ。トムたちが搭乗するのは、F4Uコルセアというレシプロ単発単座戦闘機である。これが見た目が実にカッコ良く、前半に編隊を組んでロードアイランド州の海岸沿いを飛行する場面の美しさは特筆ものだ。空母への着艦場面もスリリングだし、朝鮮での空戦シーンは手に汗握る迫力だ。
加えて、終盤近くの展開は戦争の悲惨さが強調され、忘れられない印象を残す。またエピローグではハドナー家とブラウン家の交流は今でも続いていることが示されて、胸が熱くなった。J・D・ディラードの演出は冗長な部分もあるが、全体としては及第点だろう。
主演のグレン・パウエルとジョナサン・メジャースは好調。クリスティーナ・ジャクソンやダレン・カガソフ、ジョー・ジョナスといった他のキャストも万全だ。なお、カメラマンは現時点でアメリカ人の撮影監督ではトップクラスの実力を持つであろうエリック・メッサーシュミットで、ここでも流麗な仕事ぶりを披露している。
1950年、ロードアイランド州のクォンセット・ポイント海軍航空基地に赴任したトム・ハドナー大尉は、同僚となるジェシー・ブラウン少尉と出会う。ジェシーは米海軍初の黒人パイロットで、腕は確かだが日頃から人種差別に悩まされていた。最初はぎこちなかった2人の関係だが、訓練を通して互いの距離を詰めていく。やがて朝鮮戦争が勃発し、彼らが属する機動部隊は日本海に展開。北軍に占拠された半島のエリアを奪還するという、困難な任務に挑む。
上映時間が約2時間40分というのは、このネタでは長すぎる。そもそも、余計なシークエンスが多い。代表的なものは主人公たちがフランスのカンヌに寄港して、そこで人気女優と知り合った後にカジノ会場に繰り出すあたりや、そこで他の部隊員と一悶着起こすシークエンスだ。こんなのは丸ごと削って構わない。ジェシーの家族とトムとの触れ合いも、タイトに切り詰めて良かった。
しかし、それら難点があっても本作には魅力がある。それはまず飛行シーンの素晴らしさだ。トムたちが搭乗するのは、F4Uコルセアというレシプロ単発単座戦闘機である。これが見た目が実にカッコ良く、前半に編隊を組んでロードアイランド州の海岸沿いを飛行する場面の美しさは特筆ものだ。空母への着艦場面もスリリングだし、朝鮮での空戦シーンは手に汗握る迫力だ。
加えて、終盤近くの展開は戦争の悲惨さが強調され、忘れられない印象を残す。またエピローグではハドナー家とブラウン家の交流は今でも続いていることが示されて、胸が熱くなった。J・D・ディラードの演出は冗長な部分もあるが、全体としては及第点だろう。
主演のグレン・パウエルとジョナサン・メジャースは好調。クリスティーナ・ジャクソンやダレン・カガソフ、ジョー・ジョナスといった他のキャストも万全だ。なお、カメラマンは現時点でアメリカ人の撮影監督ではトップクラスの実力を持つであろうエリック・メッサーシュミットで、ここでも流麗な仕事ぶりを披露している。