2022年作品。お手軽なホラー編で、別に評価出来るような内容でもないのだが、ちょっと印象に残る部分もあり、観るのは損だと切って捨てるのは忍びない。キャストは健闘しており、少なくとも演技のイロハも知らないようなアイドル風情が出ていないだけでも有り難い。上映時間が82分というのも、ボロが出る前にサッと切り上げる意味では的確だ。
大学で民俗学を専攻している堤春奈は、ネットの掲示板で目にした「きさらぎ駅」の怪異譚に興味を持ち、卒業論文の題材として取り上げるため投稿者の葉山純子を訪ねる。十数年前、高校教師だった純子は終電の車内で眠り込んでしまい、気が付くと電車は見知らぬ駅に着いていた。他に乗り合わせていたのは純子と同じ学校に通う宮崎明日香と、若い男女3人。そして中年男の計5名だ。
彼らは人気のない駅およびその周辺のただならぬ雰囲気に恐れをなし、何とか脱出しようとするが次々に怪奇現象が襲ってくる。奇跡的に純子だけは抜け出したが、その間に現実世界では7年の時間が経過していたという。春奈は試しにかつての純子と同じ行程を辿ると、自身も「きさらぎ駅」に到達してしまう。インターネット掲示板「2ちゃんねる」発の都市伝説の映画化だ。
まず、いくら関心があったとしても後先考えずに異世界に行こうとする春奈の行動は無理がある。登場人物たちが遭遇する怪異にしても、低予算のためかチャチさが否めない。そもそも、全然怖くないのだ。しかしながら、この異空間の造形は興味深い。単に人払いをした田舎町をカメラに緑色(?)のフィルターをかけて撮っているだけだが、この世のものとも思えない雰囲気はよく出ていた。特にトンネルの場面は出色で、よくこんなロケ地を探してきたものだと感心する。
そして、終盤のオチはけっこう面白い。さらに、エンドクレジット後のエピローグも気が利いている。永江二朗の演出は殊更優れたところはないが、作劇が破綻することなく最後まで見せきっている。春奈に扮する恒松祐里は意外にもこれが初の主演作だが、個性的な外見と演技に対して前向きな姿勢は好印象だ。
本田望結に佐藤江梨子、そして飯田大輔や寺坂頼我、木原瑠生、莉子、瀧七海らあまり名の知られていない若手に至るまで芝居の下手な者は見当たらないのも申し分ない。そして中年男を演じる芹澤興人はケッ作だ。こいつの顔は“素”で怖い。突然出てくるとドキッとする。本作で唯一のホラーなポイントだと思う(笑)。
大学で民俗学を専攻している堤春奈は、ネットの掲示板で目にした「きさらぎ駅」の怪異譚に興味を持ち、卒業論文の題材として取り上げるため投稿者の葉山純子を訪ねる。十数年前、高校教師だった純子は終電の車内で眠り込んでしまい、気が付くと電車は見知らぬ駅に着いていた。他に乗り合わせていたのは純子と同じ学校に通う宮崎明日香と、若い男女3人。そして中年男の計5名だ。
彼らは人気のない駅およびその周辺のただならぬ雰囲気に恐れをなし、何とか脱出しようとするが次々に怪奇現象が襲ってくる。奇跡的に純子だけは抜け出したが、その間に現実世界では7年の時間が経過していたという。春奈は試しにかつての純子と同じ行程を辿ると、自身も「きさらぎ駅」に到達してしまう。インターネット掲示板「2ちゃんねる」発の都市伝説の映画化だ。
まず、いくら関心があったとしても後先考えずに異世界に行こうとする春奈の行動は無理がある。登場人物たちが遭遇する怪異にしても、低予算のためかチャチさが否めない。そもそも、全然怖くないのだ。しかしながら、この異空間の造形は興味深い。単に人払いをした田舎町をカメラに緑色(?)のフィルターをかけて撮っているだけだが、この世のものとも思えない雰囲気はよく出ていた。特にトンネルの場面は出色で、よくこんなロケ地を探してきたものだと感心する。
そして、終盤のオチはけっこう面白い。さらに、エンドクレジット後のエピローグも気が利いている。永江二朗の演出は殊更優れたところはないが、作劇が破綻することなく最後まで見せきっている。春奈に扮する恒松祐里は意外にもこれが初の主演作だが、個性的な外見と演技に対して前向きな姿勢は好印象だ。
本田望結に佐藤江梨子、そして飯田大輔や寺坂頼我、木原瑠生、莉子、瀧七海らあまり名の知られていない若手に至るまで芝居の下手な者は見当たらないのも申し分ない。そして中年男を演じる芹澤興人はケッ作だ。こいつの顔は“素”で怖い。突然出てくるとドキッとする。本作で唯一のホラーなポイントだと思う(笑)。