(英題:DREAM )2023年7月よりNetflixより配信された韓国製のスポ根ドラマ。お世辞にも垢抜けた出来とは言えないが、各キャラクターの濃さと強引に繰り出されるギャグのテンポの良さで、最後まで退屈せずに付き合えた。本国公開は同年4月で、その時点で年間韓国映画興行収入ランキング第3位を記録するヒットになっている。
人気サッカー選手だったユン・ホンデは、その短気な性格が災いして横柄なマスコミのリポーターをシバくという不祥事を引き起こす。彼は謹慎を言い渡されるが、そこに目を付けたのが某テレビ局。彼をホームレスを寄せ集めた即席のホームレス・サッカーチームの韓国代表監督に就任させ、再起を図る姿をドキュメンタリー番組に仕立てて一発当てようと目論む。否応なくこの話に乗せられたホンテだが、若手女性ディレクターのイ・ソミンのわがままに振り回されながらも、何とかチームを作り上げてホームレス・ワールドカップの本大会を目指す。
一応は2010年に開催されたホームレス・ワールドカップに韓国が初めて出場した事実を元にしているが、その際の会場はブラジルであったのに対し、本作ではなぜかハンガリーのブダペストになっている。現役のプロサッカー選手が監督を引き受けたことはなく、並み居る強豪相手に善戦した事実も無いらしい。だからこの映画は純然たるフィクションだと思った方が良い。
思わぬ逆境に追い込まれたホンデの手前勝手な懊悩には苦笑するが、その彼と遠慮会釈無く“テレビ的演出”をゴリ押ししてくるソミンとの掛け合いは愉快だ。チームメンバーも実に個性豊かで、離婚して娘の親権を元嫁に取られたものの、娘に良いところを見せようとするオッサンや、キャンプで行方不明になった恋人を探すため加入した小心者のエース、元暴力団員のゴールキーパーなど、けっこう粒ぞろい。サッカーには縁の無さそうな連中が、やがて鍛練を積んで大舞台に臨むという筋立てはスポ根ものの王道で、多少のモタつきがあっても気分を害さず見ていられる。開催地のブダペストの風景も素敵だ。
脚本も担当したイ・ビョンホン監督の仕事ぶりは幾分泥臭いが「エクストリーム・ジョブ」(2019年)の頃よりも手慣れている。主演のパク・ソジュンやIU(本名イ・ジウン)、キム・ジョンス、ホン・ワンピョ、イ・ヒョヌらキャストは健闘していると思う。それにしても、ホームレス・ワールドカップという大会の存在はこの映画を観るまで知らなかった。面白いイベントがあるものだ。
人気サッカー選手だったユン・ホンデは、その短気な性格が災いして横柄なマスコミのリポーターをシバくという不祥事を引き起こす。彼は謹慎を言い渡されるが、そこに目を付けたのが某テレビ局。彼をホームレスを寄せ集めた即席のホームレス・サッカーチームの韓国代表監督に就任させ、再起を図る姿をドキュメンタリー番組に仕立てて一発当てようと目論む。否応なくこの話に乗せられたホンテだが、若手女性ディレクターのイ・ソミンのわがままに振り回されながらも、何とかチームを作り上げてホームレス・ワールドカップの本大会を目指す。
一応は2010年に開催されたホームレス・ワールドカップに韓国が初めて出場した事実を元にしているが、その際の会場はブラジルであったのに対し、本作ではなぜかハンガリーのブダペストになっている。現役のプロサッカー選手が監督を引き受けたことはなく、並み居る強豪相手に善戦した事実も無いらしい。だからこの映画は純然たるフィクションだと思った方が良い。
思わぬ逆境に追い込まれたホンデの手前勝手な懊悩には苦笑するが、その彼と遠慮会釈無く“テレビ的演出”をゴリ押ししてくるソミンとの掛け合いは愉快だ。チームメンバーも実に個性豊かで、離婚して娘の親権を元嫁に取られたものの、娘に良いところを見せようとするオッサンや、キャンプで行方不明になった恋人を探すため加入した小心者のエース、元暴力団員のゴールキーパーなど、けっこう粒ぞろい。サッカーには縁の無さそうな連中が、やがて鍛練を積んで大舞台に臨むという筋立てはスポ根ものの王道で、多少のモタつきがあっても気分を害さず見ていられる。開催地のブダペストの風景も素敵だ。
脚本も担当したイ・ビョンホン監督の仕事ぶりは幾分泥臭いが「エクストリーム・ジョブ」(2019年)の頃よりも手慣れている。主演のパク・ソジュンやIU(本名イ・ジウン)、キム・ジョンス、ホン・ワンピョ、イ・ヒョヌらキャストは健闘していると思う。それにしても、ホームレス・ワールドカップという大会の存在はこの映画を観るまで知らなかった。面白いイベントがあるものだ。