(原題:MISSION:IMPOSSIBLE DEAD RECKONING PART ONE)上映時間が2時間44分というのは、いくら何でも長すぎる。先日観た「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」も2時間34分という長尺だったが、大河ドラマでもアート系フィルムでもない活劇映画の分際で、これだけの上映時間を必要とすること自体おかしいと思う。しかも本作は「PART ONE」と銘打っていることからも分かる通り、前半部分に過ぎないのだ。
もちろん、いくら尺が長くても中身が充実していれば許せるのだが、これがどうも弱体気味。ロシアが次世代潜水艦用の推測航法(デッドレコニング)のために開発した高度なAIシステムが突如として“自我”に目覚める。搭載された艦は沈没するが、その心臓部分は海底にて半永久的に作動。世界中のITデバイスを支配できるこのシステムを制御するには2つの鍵が必要だが、今回イーサン・ハントに課されたミッションは、この鍵がテロ分子に渡る前に見つけ出すことだ。
ここ2,3作では“IMFが組織的活動を停止させられ、ハント及びその仲間が追われる身となる”という設定ばかりだったので、今回のネタは新鮮味はある。だが、最新のAIをコントロールするのが、アナログな鍵というのが何とも脱力する。しかもこの鍵の造形は安普請で存在感が希薄だ。こんな物のために大のオトナたちが右往左往する様子は、滑稽でしかない。
敵の首魁はハントがIMFに入る前に出会って深い因縁があるというガブリエルという男だが、ハッキリ言ってシステムを手に入れて何をしたいのか分からない。まあ、その真相は続編で明かされるのかもしれないが、説明抜きでの狼藉ぶりは愉快になれない。それでも予告編の段階から何度も見せられた派手なアクションシーンが小気味良く展開されるのならばあまり文句は無いが、これが一つ一つが無駄に長くて飽きてしまう。このあたりが上映時間が引き延ばされた要因だろう。
しかも、活劇場面はいずれも過去にどこかで観たような御膳立てであり、アイデア不足は否めない。ならばドラマ部分はスムーズなのかというと、これも違う。今回の重要なネタとして“ヒロインの交代”が挙げられるが、その顛末が冗長で観ていて面倒くさくなる。あと、交渉場所にわざわざ山岳列車のような不安定な場所を指定したり、仲間から案内された現場とのアクセスポイントが断崖絶壁だったりと、無理筋なモチーフの連続。
これでシリーズ三回目の登板になるクリストファー・マッカリーの演出は相変わらずピリッとせず、シナリオを追うだけで手一杯の様子だ。トム・クルーズのパフォーマンスはいつもの通り。ヘイリー・アトウェルにビング・レイムス、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソンら他の面子も大したことは無い。敵役のイーサイ・モラレスは貫禄不足。印象に残ったのは前回に引き続いて登場のヴァネッサ・カービーと、女殺し屋役のポム・クレメンティエフぐらいだ。本編を観た関係上、パート2が公開された際も劇場に足を運ぶことになるが、期待はしていない。
もちろん、いくら尺が長くても中身が充実していれば許せるのだが、これがどうも弱体気味。ロシアが次世代潜水艦用の推測航法(デッドレコニング)のために開発した高度なAIシステムが突如として“自我”に目覚める。搭載された艦は沈没するが、その心臓部分は海底にて半永久的に作動。世界中のITデバイスを支配できるこのシステムを制御するには2つの鍵が必要だが、今回イーサン・ハントに課されたミッションは、この鍵がテロ分子に渡る前に見つけ出すことだ。
ここ2,3作では“IMFが組織的活動を停止させられ、ハント及びその仲間が追われる身となる”という設定ばかりだったので、今回のネタは新鮮味はある。だが、最新のAIをコントロールするのが、アナログな鍵というのが何とも脱力する。しかもこの鍵の造形は安普請で存在感が希薄だ。こんな物のために大のオトナたちが右往左往する様子は、滑稽でしかない。
敵の首魁はハントがIMFに入る前に出会って深い因縁があるというガブリエルという男だが、ハッキリ言ってシステムを手に入れて何をしたいのか分からない。まあ、その真相は続編で明かされるのかもしれないが、説明抜きでの狼藉ぶりは愉快になれない。それでも予告編の段階から何度も見せられた派手なアクションシーンが小気味良く展開されるのならばあまり文句は無いが、これが一つ一つが無駄に長くて飽きてしまう。このあたりが上映時間が引き延ばされた要因だろう。
しかも、活劇場面はいずれも過去にどこかで観たような御膳立てであり、アイデア不足は否めない。ならばドラマ部分はスムーズなのかというと、これも違う。今回の重要なネタとして“ヒロインの交代”が挙げられるが、その顛末が冗長で観ていて面倒くさくなる。あと、交渉場所にわざわざ山岳列車のような不安定な場所を指定したり、仲間から案内された現場とのアクセスポイントが断崖絶壁だったりと、無理筋なモチーフの連続。
これでシリーズ三回目の登板になるクリストファー・マッカリーの演出は相変わらずピリッとせず、シナリオを追うだけで手一杯の様子だ。トム・クルーズのパフォーマンスはいつもの通り。ヘイリー・アトウェルにビング・レイムス、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソンら他の面子も大したことは無い。敵役のイーサイ・モラレスは貫禄不足。印象に残ったのは前回に引き続いて登場のヴァネッサ・カービーと、女殺し屋役のポム・クレメンティエフぐらいだ。本編を観た関係上、パート2が公開された際も劇場に足を運ぶことになるが、期待はしていない。