(原題:Cousins )89年作品。フランス映画「さよならの微笑」(75年)のハリウッド版リメイクである。元ネタの公開から10年以上経っての再映画化ということで、なぜそこまでインターバルがあったのかは不明だ。ともあれ、出来としてはオリジナルには及ばないまでも決して悪くない。大人のためのウェルメイド・ムービーとしては、十分に楽しめる。
主人公のマリアは、母イーディの結婚式で母親の夫となるフィルの甥のラリーと出会う。2人は義理のいとこ同士になるのだが、互いに惹かれ合うものを感じる。一方、マリアの夫トムとフィルの妻ティッシュは密かに懇ろな仲になっており、それをマリアは薄々勘付いていた。そのこともあって彼女はますますラリーを頼りにするようになるが、一線を越えないだけの節度を保っていた。だが、ティッシュとトムはそんな2人を嫉妬し何かと干渉してくる。悩むマリアは、夫との関係を清算するかどうかの決断を迫られる。
要するに“ダブル不倫”の話なのだが(苦笑)、それが決してイヤらしく見えないのは、誠実そうなマリアとラリーの対極にティッシュとトムいうかなり問題のあるキャラクターを配置するという設定の妙に尽きる。そして成り行き上、彼らが義理のいとこ同士の関係になったというシチュエーションも出色だ。
つまり、当事者だけの話ではなく親戚などの関係者も絡んできて、一筋縄ではいかない展開が期待できる。好きになったら配偶者を無視して突っ走るわけにはいかない登場人物の立場と分別がモノを言う作劇で、このあたりがアカデミー外国語映画賞にもノミネートされたフランス作品を土台にしているメリットを感じる。
とはいえ、主演のイザベラ・ロッセリーニは健闘しているが、オリジナルのマリー=クリスティーヌ・バローの気品には一歩譲る。ティッシュに扮するショーン・ヤングも持ち前のエキセントリックさを発揮しているものの、元ネタにおけるマリー=フランス・ピジェの変態ぶりには負ける(笑)。
監督はジョエル・シュマッカーで、こういう恋愛物には合わないと思われるが、結構うまくやっている。ただ、それでも「さよならの微笑」のジャン=シャルル・タケラの方が手馴れていると思う。テッド・ダンソンにウィリアム・ピーターセン、ロイド・ブリッジスなどの他のキャストは万全。ラルフ・ボードのカメラによる清涼な映像(特に、湖畔のコテージのシーン)は印象深い。
主人公のマリアは、母イーディの結婚式で母親の夫となるフィルの甥のラリーと出会う。2人は義理のいとこ同士になるのだが、互いに惹かれ合うものを感じる。一方、マリアの夫トムとフィルの妻ティッシュは密かに懇ろな仲になっており、それをマリアは薄々勘付いていた。そのこともあって彼女はますますラリーを頼りにするようになるが、一線を越えないだけの節度を保っていた。だが、ティッシュとトムはそんな2人を嫉妬し何かと干渉してくる。悩むマリアは、夫との関係を清算するかどうかの決断を迫られる。
要するに“ダブル不倫”の話なのだが(苦笑)、それが決してイヤらしく見えないのは、誠実そうなマリアとラリーの対極にティッシュとトムいうかなり問題のあるキャラクターを配置するという設定の妙に尽きる。そして成り行き上、彼らが義理のいとこ同士の関係になったというシチュエーションも出色だ。
つまり、当事者だけの話ではなく親戚などの関係者も絡んできて、一筋縄ではいかない展開が期待できる。好きになったら配偶者を無視して突っ走るわけにはいかない登場人物の立場と分別がモノを言う作劇で、このあたりがアカデミー外国語映画賞にもノミネートされたフランス作品を土台にしているメリットを感じる。
とはいえ、主演のイザベラ・ロッセリーニは健闘しているが、オリジナルのマリー=クリスティーヌ・バローの気品には一歩譲る。ティッシュに扮するショーン・ヤングも持ち前のエキセントリックさを発揮しているものの、元ネタにおけるマリー=フランス・ピジェの変態ぶりには負ける(笑)。
監督はジョエル・シュマッカーで、こういう恋愛物には合わないと思われるが、結構うまくやっている。ただ、それでも「さよならの微笑」のジャン=シャルル・タケラの方が手馴れていると思う。テッド・ダンソンにウィリアム・ピーターセン、ロイド・ブリッジスなどの他のキャストは万全。ラルフ・ボードのカメラによる清涼な映像(特に、湖畔のコテージのシーン)は印象深い。