(原題:IN THE HEIGHTS)世評は高いようだが、個人的には凡作としか思えない。断っておくが、別にミュージカル映画が嫌いなわけではなく、その手の映画に緻密なストーリーや深い内面描写などを求めるのは場違いだというのも承知している。だが、本作はあまりにも主題の設定が中途半端で、話の筋も整理されていない。加えて2時間半という長い尺は、観る者の興味を持続させるのに適切とは思えない。
ニューヨークの片隅にあるワシントンハイツ地区は、中南米からの移民が多く住む街だ。両親がドミニカから渡ってきた青年ウスナビは、従弟のソニーと一緒にコンビニを切り盛りする一方、ガールフレンドのヴァネッサと共にいつか故国に帰って店を開くことを夢見ていた。ある日、タクシー会社の社長の娘ニーナが実家に戻ってくる。彼女はスタンフォード大学に進学しており地区住民の希望の星だったが、彼の地で手酷い人種差別を受け、退学届けを出してきたというのだ。ニーナの元カレであるベニーは、そんな彼女の境遇を心配する。トニー賞受賞の同名ミュージカルの映画化だ。
曲がりなりにもニューヨークでカタギの生活を送るウスナビが、どうして経済事情の良くないドミニカに帰ろうとしているのか、その理由がはっきりしない。映画は真夏の夜の大停電をクライマックスに置いているようで、そこに至るカウントダウンも提示されるのだが、いざ停電が起こってもそれに直接起因してドラマが大きく動くわけでもない。あとは美容院がブロンクスに移転するの何だのといった、どうでもいいネタが並べられ、気勢の上がらないラストに行き着く。エピソードを精査して不要な部分を削れば、最低30分は上映時間を短縮できる。
ミュージカル映画に付き物の歌とダンスだが、これが期待外れ。私がラテン音楽が好きではないことを差し引いても、楽曲のレベルが低く印象的なナンバーどころか記憶に残るようなフレーズさえ無い。ダンスはダイナミックだが、振り付けは凡庸。往年のMGMミュージカルへのオマージュと受け取られる個所もあるが、作り方が下手である。
ジョン・M・チュウの演出は特筆すべきものは見当たらないが、題材自体に難があるので仕方がないのかもしれない。また、レスリー・グレイスとメリッサ・バレラの若手女優陣はとても可愛いのだが、ウスナビ役のアンソニー・ラモスをはじめとする野郎どもはルックスに難がある(笑)。もっと二枚目を出演させるべきだった。唯一面白いと思ったのは、ウスナビという変わった名前の由来で、これには笑ってしまった。
ニューヨークの片隅にあるワシントンハイツ地区は、中南米からの移民が多く住む街だ。両親がドミニカから渡ってきた青年ウスナビは、従弟のソニーと一緒にコンビニを切り盛りする一方、ガールフレンドのヴァネッサと共にいつか故国に帰って店を開くことを夢見ていた。ある日、タクシー会社の社長の娘ニーナが実家に戻ってくる。彼女はスタンフォード大学に進学しており地区住民の希望の星だったが、彼の地で手酷い人種差別を受け、退学届けを出してきたというのだ。ニーナの元カレであるベニーは、そんな彼女の境遇を心配する。トニー賞受賞の同名ミュージカルの映画化だ。
曲がりなりにもニューヨークでカタギの生活を送るウスナビが、どうして経済事情の良くないドミニカに帰ろうとしているのか、その理由がはっきりしない。映画は真夏の夜の大停電をクライマックスに置いているようで、そこに至るカウントダウンも提示されるのだが、いざ停電が起こってもそれに直接起因してドラマが大きく動くわけでもない。あとは美容院がブロンクスに移転するの何だのといった、どうでもいいネタが並べられ、気勢の上がらないラストに行き着く。エピソードを精査して不要な部分を削れば、最低30分は上映時間を短縮できる。
ミュージカル映画に付き物の歌とダンスだが、これが期待外れ。私がラテン音楽が好きではないことを差し引いても、楽曲のレベルが低く印象的なナンバーどころか記憶に残るようなフレーズさえ無い。ダンスはダイナミックだが、振り付けは凡庸。往年のMGMミュージカルへのオマージュと受け取られる個所もあるが、作り方が下手である。
ジョン・M・チュウの演出は特筆すべきものは見当たらないが、題材自体に難があるので仕方がないのかもしれない。また、レスリー・グレイスとメリッサ・バレラの若手女優陣はとても可愛いのだが、ウスナビ役のアンソニー・ラモスをはじめとする野郎どもはルックスに難がある(笑)。もっと二枚目を出演させるべきだった。唯一面白いと思ったのは、ウスナビという変わった名前の由来で、これには笑ってしまった。