去る2021年8月31日、福岡市中央区天神にある14階建てのファッションビル、IMS(イムズ)ビルが閉館した。今後建物は解体され、2022年度から再開発されるという。同ビルが開館したのは89年4月で、当時はバブルの全盛期。同年開館したソラリアプラザとユーテクプラザ(現:天神LOFT)と並び、“福岡三大ビル”と呼ばれたこともあった。
IMSは金色に輝く外観と、大きな吹き抜けが異彩を放ち、天神地区の新名所と言われたものだ。テナントも個性的なショップが集まっていたが、何といっても目立っていたのが4階の自動車展示場だ。日産とスバル、トヨタに三菱といったメーカーの新車を中心としたラインナップがフロアに置かれていて、入場客は自由に触ることが出来た。しかも、そこでは販売は行われず、あくまでメーカーの情報発信に徹していたことが、いかにも景気が良かった頃を想起させる。そして自動車が搬入されるのが真夜中で、運が良ければその様子を見ることが出来た。
8階のギャラリー“三菱地所アルティアム”も興味深い施設だったが、それよりも印象的だったのが、9階のIMSホールである。珍しい演劇専門のシアターだったが、時として別のイベントも実施されていた、思い出されるのが95年に開催された“映画誕生100年”を記念した上映会である。ポピュラーな映画を観せてくれるのかと思ったら大間違いで、実験映画を含めたマニアックなラインナップで、とても驚いたものだ。
12階から14階は回廊型の飲食フロアだったが、職場の食事会や仲間内の宴会によく使わせてもらった。レストラン自体はかなり入れ替わったが、キリンビールのビアホールだけは開館時から最後まで継続して営業していたのは大したものだと思った(途中で店名が変更にはなったが ^^;)。
IMSビルをはじめとする、バブル時のモニュメントは次々と姿を消しつつある。オシャレなパブやレストランが多数入居していたビルが軒を連ねていた天神西通りは、今ではファストファッションの店ばかりが目立つ。赤坂けやき通りに並んでいた高級ブティックも姿を消した。
IMSなど多くのビル建て替えを狙った“天神ビッグバン”や、博多区のJR博多駅近辺で展開する“博多コネクテッド”といった施策が最終的にどのような形態になるのかは、まだ明確ではない。ただ、現時点ではオフィスビルや高級ホテルが中核になると報道されている。これは福岡市が慢性的にオフィスとホテルが不足していることが背景にあるが、コロナ禍による総需要低下でそれらが功を奏するかどうかは分からない。とにかく、時代は変わってゆく。昔の郷愁に浸っているヒマは無いようだ。
IMSは金色に輝く外観と、大きな吹き抜けが異彩を放ち、天神地区の新名所と言われたものだ。テナントも個性的なショップが集まっていたが、何といっても目立っていたのが4階の自動車展示場だ。日産とスバル、トヨタに三菱といったメーカーの新車を中心としたラインナップがフロアに置かれていて、入場客は自由に触ることが出来た。しかも、そこでは販売は行われず、あくまでメーカーの情報発信に徹していたことが、いかにも景気が良かった頃を想起させる。そして自動車が搬入されるのが真夜中で、運が良ければその様子を見ることが出来た。
8階のギャラリー“三菱地所アルティアム”も興味深い施設だったが、それよりも印象的だったのが、9階のIMSホールである。珍しい演劇専門のシアターだったが、時として別のイベントも実施されていた、思い出されるのが95年に開催された“映画誕生100年”を記念した上映会である。ポピュラーな映画を観せてくれるのかと思ったら大間違いで、実験映画を含めたマニアックなラインナップで、とても驚いたものだ。
12階から14階は回廊型の飲食フロアだったが、職場の食事会や仲間内の宴会によく使わせてもらった。レストラン自体はかなり入れ替わったが、キリンビールのビアホールだけは開館時から最後まで継続して営業していたのは大したものだと思った(途中で店名が変更にはなったが ^^;)。
IMSビルをはじめとする、バブル時のモニュメントは次々と姿を消しつつある。オシャレなパブやレストランが多数入居していたビルが軒を連ねていた天神西通りは、今ではファストファッションの店ばかりが目立つ。赤坂けやき通りに並んでいた高級ブティックも姿を消した。
IMSなど多くのビル建て替えを狙った“天神ビッグバン”や、博多区のJR博多駅近辺で展開する“博多コネクテッド”といった施策が最終的にどのような形態になるのかは、まだ明確ではない。ただ、現時点ではオフィスビルや高級ホテルが中核になると報道されている。これは福岡市が慢性的にオフィスとホテルが不足していることが背景にあるが、コロナ禍による総需要低下でそれらが功を奏するかどうかは分からない。とにかく、時代は変わってゆく。昔の郷愁に浸っているヒマは無いようだ。