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Channel: 元・副会長のCinema Days
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「スペース・スウィーパーズ」

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 (英題:SPACE SWEEPERS)2021年2月よりNetflixより配信。題材とストーリー運びは特に目新しい点は見つからず、キャストの仕事ぶりもさほど印象に残らないのだが、韓国映画がこういうシャシンをリリースしたという事実は注目に値するだろう。エクステリアに限って言えばハリウッド作品にも匹敵する仕上がりで、こういう企画が通ったこと自体、彼の国の映画界の勢いを感じさせる。

 2092年、地球は環境の悪化により居住が難しくなっていた。大手宇宙開発企業のUTSは宇宙空間に巨大な居住エリアを建設するが、そこは上層階級の人間しか住むことが出来ない。そんな中、宇宙に散乱する金目のゴミの収集と売却を生業とする“スペース・スウィーパーズ”と呼ばれる者たちが跋扈していた。



 韓国籍の“勝利号”も宇宙のゴミの掃除に勤しんでいたが、ある時操縦士のテホが廃棄された宇宙船の中で一人の少女を発見する。その少女は行方不明の子供型アンドロイドの“ドロシー”のようで、内部に水爆が装着された大量破壊兵器らしい。“勝利号”の乗組員たちは“ドロシー”を闇組織に売り払って大金を得ようとするが、UTSの親玉も別の目的で“ドロシー”を追っていた。

 設定はよくあるディストピアもので、その中で“はぐれ者たち”が活躍するという筋書きも凡庸だ。そもそも、現時点でも月面に基地さえ作れない状態で、あと約70年で絵に描いたようなスペースオペラ的な設備とメカが実現するわけがない(笑)。ここは時代設定をあと100年ぐらい先にすべきだった。

 とはいえ、チョ・ソンヒの演出は賑々しくSF大作感を出しており、よく観ればそれほど予算は掛けていないのが分かるが、撮り方が上手いので画面が安っぽくならない。ただ、もっとエピソードを刈り込んで尺を短くすれば良かったとは思う。

 “勝利号”の連中は総じてキャラクターは“立って”おらず、“ドロシー”に扮した子役もあんまり可愛くないのだが、その中でロボットのバブズの造型だけは面白い。ソン・ジュンギにキム・テリ、チン・ソンギュといった出演陣は無難に役をこなしているといった程度。悪役のリチャード・アーミティッジもスゴんでいるわりには迫力に欠ける。しかしながら、アジア映画で本格的な宇宙物が観られたことは評価したい。

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