(原題:ALWAYS)89年製作。スティーヴン・スピルバーグ監督作品であるにも関わらず、知名度は低い。しかも、公開当時は高評価はされておらず、アカデミー賞をはじめとする各種主要映画アワードの候補にもあまりならなかった。しかしながら、個人的にはこの頃の彼の仕事を代表する佳編だと思っている。少なくとも、似たようなネタを扱った「ゴースト ニューヨークの幻」(90年)よりも感銘度は高い。
コロラド州の森林火災の消火隊員で消化剤散布用の飛行機のパイロットであるピートは、いつも無鉄砲な行動で皆をハラハラさせていた。友人のアルは、恋人のドリンダのためにもピートに現場を離れてパイロット養成学校の教官になるよう頼む。一度はそれを承諾したピートだが、非番の日に起きた山火事で出勤を命じられたピートは、アルを助けようとして殉職する。
天国でピーターはハップという天使と出会い、後輩に彼の霊感を与えるように言われる。そこでピートは、養成学校の生徒テッドにアドバイスを与えることになるのだが、どうやらテッドはドリンダに惚れているようで、ピートは苦悩する。1943年製作の「ジョーと呼ばれた男」(日本未公開)のリメイクだ。
「ゴースト」と違って、ヒロインは死んだ相手の霊を認知しない。しかも、彼女に好意を寄せている者もいる。ピートとしては辛い立場だ。だが、ドリンダにとってピートは忘れられない人であり、彼もそれが分かっているからこそ、彼女を見守るのである。彼女がピートを思い出し、彼も彼女には見えないけれど一緒になってワルツを踊るシーンは、スピルバーグのフィルモグラフィの中でも屈指の名場面だと思う。
もちろん、この監督らしいスペクタクル場面も満載で、前半のピートが事故に巻き込まれるシークエンスは畳み掛ける展開で息もつかせないし、終盤の山火事の部分も素晴らしい盛り上がりを見せる。そして、ラストはしみじみとした感動をもたらしてくれる。元ネタの43年作品の脚本はあのダルトン・トランボなので、その影響も大きいと思われる。
主演のリチャード・ドレイファスとホリー・ハンターは絶品で、彼らのキャリアの中では代表作となるだろう。脇を固めるブラッド・ジョンソンやジョン・グッドマンの仕事ぶりも申し分ない。そして何と言っても本作のキャストで注目すべきは、ハップに扮しているのがオードリー・ヘプバーンだということだ。最後の出演作であり、彼女を起用することに成功したスピルバーグの手柄である。音楽はお馴染みジョン・ウィリアムスだが、劇中で使われる往年のヒット曲「煙が目に染みる」が抜群の効果を上げていた。
コロラド州の森林火災の消火隊員で消化剤散布用の飛行機のパイロットであるピートは、いつも無鉄砲な行動で皆をハラハラさせていた。友人のアルは、恋人のドリンダのためにもピートに現場を離れてパイロット養成学校の教官になるよう頼む。一度はそれを承諾したピートだが、非番の日に起きた山火事で出勤を命じられたピートは、アルを助けようとして殉職する。
天国でピーターはハップという天使と出会い、後輩に彼の霊感を与えるように言われる。そこでピートは、養成学校の生徒テッドにアドバイスを与えることになるのだが、どうやらテッドはドリンダに惚れているようで、ピートは苦悩する。1943年製作の「ジョーと呼ばれた男」(日本未公開)のリメイクだ。
「ゴースト」と違って、ヒロインは死んだ相手の霊を認知しない。しかも、彼女に好意を寄せている者もいる。ピートとしては辛い立場だ。だが、ドリンダにとってピートは忘れられない人であり、彼もそれが分かっているからこそ、彼女を見守るのである。彼女がピートを思い出し、彼も彼女には見えないけれど一緒になってワルツを踊るシーンは、スピルバーグのフィルモグラフィの中でも屈指の名場面だと思う。
もちろん、この監督らしいスペクタクル場面も満載で、前半のピートが事故に巻き込まれるシークエンスは畳み掛ける展開で息もつかせないし、終盤の山火事の部分も素晴らしい盛り上がりを見せる。そして、ラストはしみじみとした感動をもたらしてくれる。元ネタの43年作品の脚本はあのダルトン・トランボなので、その影響も大きいと思われる。
主演のリチャード・ドレイファスとホリー・ハンターは絶品で、彼らのキャリアの中では代表作となるだろう。脇を固めるブラッド・ジョンソンやジョン・グッドマンの仕事ぶりも申し分ない。そして何と言っても本作のキャストで注目すべきは、ハップに扮しているのがオードリー・ヘプバーンだということだ。最後の出演作であり、彼女を起用することに成功したスピルバーグの手柄である。音楽はお馴染みジョン・ウィリアムスだが、劇中で使われる往年のヒット曲「煙が目に染みる」が抜群の効果を上げていた。