この前、英国B&W社のスピーカーをまとめて聴く機会があった。聴けたのは802D、804D、そしてCM9である。アンプはMARANTZのPM−11S3、CDプレーヤーは同SA−11S3だ。
とはいえ、これらの機種は以前からショップやオーディオフェアで何度も接したことがあり、今さらコメントすることも無い。ただあえて言えば、やっぱりこのブランドの真骨頂は800シリーズにあるということだろう。CM9は端正な音で聴きやすいのだが、面白味が無い。この機種だけではなく、CMシリーズは全てそういう傾向にある。
対して800シリーズは聴感上の物理特性の高さだけではなく、空間表現力に優れた表情の豊かさがあり、聴いていて飽きることがない。CMシリーズとは価格が違うので仕方が無いのかもしれないが、個人的にはCMシリーズと同価格帯の他社製品の方が、聴いて楽しい音を出すように感じられる。
さて、その試聴会で印象深かったのはスピーカーの音ではなく、同席していたB&W製品の輸入代理店でもあるMARANTZのスタッフの話である。
職業柄、欧米にはよく足を運んでいる彼によると“もはやハイエンドオーディオ市場が成立しているのは、日本をはじめとする東アジアだけ”とのことだ。ヨーロッパではドイツやイタリアの一部の金持ちが高価なシステムを購入することがあるらしいが、多くの一般ピープルは値が張るオーディオ装置には見向きもしないのだという。
ならば彼の地では趣味のオーディオが廃れているのかというと、そうではないらしい。高級機ではなく、さりとてミニコンポみたいな安物(失礼 ^^;)とも一線を画す、日本円にして20万円前後までのシステムで音楽を楽しむ層が多いとのことだ。
ちなみに英国では、そんな手頃な装置を扱う“コンビニ的なオーディオショップ”がけっこうあり、ロンドンには15,6件は存在するという。しかも店長はいずれも若く、日本の団塊世代御用達ショップのオーナーみたいに自分勝手なウンチクを滔々と披露することもなく、まずは客の立場を考えて購入の相談に乗るのだという。
もちろん、店に置いてあるのは高級品ではないので、いたずらに客を高額商品購入に誘導することもない。客の側としても、扱っている製品の価格セグメントが定まっているので買いやすい。
最近つくづく思うのだが、オーディオ製品というのはあまりにも高価だ。今年自家用車を新調したのだが、その購入代金でも802Dとそれを駆動するアンプとプレーヤーは一度には買えない(爆)。昔に比べて市場が小さくなったせいか単価当たりの利益率を上げざるを得ず、ラインナップが高額商品にシフトしていくのは分からなくも無いが、これでは趣味のオーディオが一般庶民から離れていくばかりだ。
そういえば、私がオーディオに興味を持った70年代末には、各雑誌でメインに取り上げられていたのは“20万円で揃えられるシステム”であったように思う。メーカーもディーラーもそういうエントリークラスの購入層を大事にしていたのならば、その後のバブル景気や長期不況などに振り回されずに一定の顧客を今でも確保出来ていたと想像する。
いずれにしても、イギリスに存在するという“コンビニ的なオーディオショップ”には一度足を運んでみたいものだ(まあ、実現するかどうかはかなり疑わしいが ^^;)。
とはいえ、これらの機種は以前からショップやオーディオフェアで何度も接したことがあり、今さらコメントすることも無い。ただあえて言えば、やっぱりこのブランドの真骨頂は800シリーズにあるということだろう。CM9は端正な音で聴きやすいのだが、面白味が無い。この機種だけではなく、CMシリーズは全てそういう傾向にある。
対して800シリーズは聴感上の物理特性の高さだけではなく、空間表現力に優れた表情の豊かさがあり、聴いていて飽きることがない。CMシリーズとは価格が違うので仕方が無いのかもしれないが、個人的にはCMシリーズと同価格帯の他社製品の方が、聴いて楽しい音を出すように感じられる。
さて、その試聴会で印象深かったのはスピーカーの音ではなく、同席していたB&W製品の輸入代理店でもあるMARANTZのスタッフの話である。
職業柄、欧米にはよく足を運んでいる彼によると“もはやハイエンドオーディオ市場が成立しているのは、日本をはじめとする東アジアだけ”とのことだ。ヨーロッパではドイツやイタリアの一部の金持ちが高価なシステムを購入することがあるらしいが、多くの一般ピープルは値が張るオーディオ装置には見向きもしないのだという。
ならば彼の地では趣味のオーディオが廃れているのかというと、そうではないらしい。高級機ではなく、さりとてミニコンポみたいな安物(失礼 ^^;)とも一線を画す、日本円にして20万円前後までのシステムで音楽を楽しむ層が多いとのことだ。
ちなみに英国では、そんな手頃な装置を扱う“コンビニ的なオーディオショップ”がけっこうあり、ロンドンには15,6件は存在するという。しかも店長はいずれも若く、日本の団塊世代御用達ショップのオーナーみたいに自分勝手なウンチクを滔々と披露することもなく、まずは客の立場を考えて購入の相談に乗るのだという。
もちろん、店に置いてあるのは高級品ではないので、いたずらに客を高額商品購入に誘導することもない。客の側としても、扱っている製品の価格セグメントが定まっているので買いやすい。
最近つくづく思うのだが、オーディオ製品というのはあまりにも高価だ。今年自家用車を新調したのだが、その購入代金でも802Dとそれを駆動するアンプとプレーヤーは一度には買えない(爆)。昔に比べて市場が小さくなったせいか単価当たりの利益率を上げざるを得ず、ラインナップが高額商品にシフトしていくのは分からなくも無いが、これでは趣味のオーディオが一般庶民から離れていくばかりだ。
そういえば、私がオーディオに興味を持った70年代末には、各雑誌でメインに取り上げられていたのは“20万円で揃えられるシステム”であったように思う。メーカーもディーラーもそういうエントリークラスの購入層を大事にしていたのならば、その後のバブル景気や長期不況などに振り回されずに一定の顧客を今でも確保出来ていたと想像する。
いずれにしても、イギリスに存在するという“コンビニ的なオーディオショップ”には一度足を運んでみたいものだ(まあ、実現するかどうかはかなり疑わしいが ^^;)。