(原題:MONSTERS UNIVERSITY )ヒットした「モンスターズ・インク」(2001年)のパート2を製作するに当たって“続編”ではなく“前日譚”を選んだというのは、どうも納得できない。
マイクとサリーは後に仲良くなることは前作を観ていれば分かるし、そもそもマイクが“怖がらせ屋”として大成しないことも皆知っている。こういう“最初からネタバレしているような話”だと、物語世界の限界があらかじめ示されており、興趣に乏しくなると思うのだが・・・・。
とはいえ、いくら“結果の分かった話”だろうと語り口が面白ければ文句は無い。しかし、本作はそのあたりがどうにも物足りない。何より致命的なのは、マイクとサリーの描き方に随分と差があることだ。
学生時代のマイクは自らの愛嬌のあるルックスが“怖がらせ屋”として大きなハンディキャップであることに悩み、努力を重ねて何とか身の処し方を考えていく。そのプロセスは説得力がある。対してサリーは“名門”の出であり、生まれつきの才能は持ち合わせている。だが、その分傲慢で地道な鍛錬を軽視しているのだが、そんな態度を反省して悔い改めたりする様子がほとんど無い。大して悩まずに何となく(努力家で本来ソリが合わないはずの)マイクと仲良くなったりするのだから、観ていて居心地が悪くなる。
モンスター・ユニバーシティにおいてエリートコースとされているのが“怖がらせ学部”だが、そこを除名処分になった二人が一発逆転を図るのが自治会主催の“怖がらせ大会”というのも、何か釈然としない。学生イベントなんかで学部復帰が決まるのならば、一般の正規カリキュラムとは一体何なのだと突っ込みを入れたくなる。
また、ディズニーのアニメーションに付きもののハラハラドキドキのスペクタクル場面が見当たらないのも不満だ。まあ、人間世界に取り残されてしまった二人が脱出を図るシークエンスはあるが、あの程度では盛り上がらないだろう。
技術的には前作よりも進歩しており、ビリー・クリスタルやジョン・グッドマン、スティーヴ・ブシェーミ、ヘレン・ミレンといった声の出演者も達者なのだが、気勢が上がらないままエンドマークを迎えてしまった。ヘタに“前日譚”なんか取り上げず、パート1から続くさらなる冒険をケレン味たっぷりに描いてくれればそれで良かったのだ。なお、同時上映の短編「ブルー・アンブレラ」は秀逸。こっちの方だけで入場料のモトは取ってしまいそうだ(笑)。
マイクとサリーは後に仲良くなることは前作を観ていれば分かるし、そもそもマイクが“怖がらせ屋”として大成しないことも皆知っている。こういう“最初からネタバレしているような話”だと、物語世界の限界があらかじめ示されており、興趣に乏しくなると思うのだが・・・・。
とはいえ、いくら“結果の分かった話”だろうと語り口が面白ければ文句は無い。しかし、本作はそのあたりがどうにも物足りない。何より致命的なのは、マイクとサリーの描き方に随分と差があることだ。
学生時代のマイクは自らの愛嬌のあるルックスが“怖がらせ屋”として大きなハンディキャップであることに悩み、努力を重ねて何とか身の処し方を考えていく。そのプロセスは説得力がある。対してサリーは“名門”の出であり、生まれつきの才能は持ち合わせている。だが、その分傲慢で地道な鍛錬を軽視しているのだが、そんな態度を反省して悔い改めたりする様子がほとんど無い。大して悩まずに何となく(努力家で本来ソリが合わないはずの)マイクと仲良くなったりするのだから、観ていて居心地が悪くなる。
モンスター・ユニバーシティにおいてエリートコースとされているのが“怖がらせ学部”だが、そこを除名処分になった二人が一発逆転を図るのが自治会主催の“怖がらせ大会”というのも、何か釈然としない。学生イベントなんかで学部復帰が決まるのならば、一般の正規カリキュラムとは一体何なのだと突っ込みを入れたくなる。
また、ディズニーのアニメーションに付きもののハラハラドキドキのスペクタクル場面が見当たらないのも不満だ。まあ、人間世界に取り残されてしまった二人が脱出を図るシークエンスはあるが、あの程度では盛り上がらないだろう。
技術的には前作よりも進歩しており、ビリー・クリスタルやジョン・グッドマン、スティーヴ・ブシェーミ、ヘレン・ミレンといった声の出演者も達者なのだが、気勢が上がらないままエンドマークを迎えてしまった。ヘタに“前日譚”なんか取り上げず、パート1から続くさらなる冒険をケレン味たっぷりに描いてくれればそれで良かったのだ。なお、同時上映の短編「ブルー・アンブレラ」は秀逸。こっちの方だけで入場料のモトは取ってしまいそうだ(笑)。