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Channel: 元・副会長のCinema Days
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日本フィルのコンサートに行ってきた。

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 去る2月16日(日)に福岡市中央区天神にある福岡シンフォニーホールで開催された、日本フィルハーモニー交響楽団の公演に聴きに行った。曲目はベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲と、ブラームスの交響曲第一番である。指揮はロシア出身のアレクサンドル・ラザレフ、ヴァイオリン独奏は堀米ゆず子だ。

 気が付いてみると、この両曲は私が子供の頃からレコード(およびCD)で親しんでいたナンバーながら、一度も生演奏で聴いていない(大笑)。これは丁度良い機会だと思って足を運んだ次第だ。



 堀米はかなりのベテランなので期待したが、席がステージから遠かったせいか、音の線が細い印象を受けた。それでもテクニックは確かなもので、時折ハッとするような魅力を見せる。ラザレフの指揮も闊達なのだが、残念ながらオーケストラの技量が付いていけず、ところどころでモタモタした展開になる(特にリズム運び)。ただし、アンコールで堀米が披露したバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタからの2曲は、艶やかな音色で目覚ましい美しさを見せた。

 ブラームスの方は素晴らしかった。ラザレフの指揮はノリが良く、速めのテンポでグイグイと攻めてくる。かといって決して必要以上に前のめりにならず、荒さも見せない。終楽章のラストでは観客の方を向いて盛り上げてくるというサービスぶり。なお。彼は指揮棒を持たないが、それだけ身体全体で表現してくる。見ていて絵になる指揮者だ。

 アンコールのバッハのG線上のアリアまで存分に楽しんだが、観客の年齢層がえらく高いのは面白くない。まあ、私もオッサンなので偉そうなことは言えないが、私が若い頃に鑑賞したクラシックのコンサートは平均年齢がもっと低かったと思う。業界のPR不足か、あるいは今の若い衆はカネが無いのか、いずれにしろ現状はあまり良い傾向ではないと思う。

 それから、会場ロビーでは演奏者のCD類を販売していたが、その中にSACDが並べられていたのは気になった。その旨の表示も係員からの説明も無いようだ。まあ、CD層も再生可能なハイブリッド・ディスクなのかもしれないが、ひょっとしたら購入したものの再生不可になって困るユーザーが出てくるかもしれないかと、いらぬ心配をしてしまう(^^;)。

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