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Channel: 元・副会長のCinema Days
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「エンド・オブ・ホワイトハウス」

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 (原題:OLYMPUS HAS FALLEN)アクション映画としては凡作だが、本題とは関係のないところが妙に面白かったりする。まず、同様のネタで「ホワイトハウス・ダウン」なる映画も作られていること。

 9.11同時多発テロから10年以上経っているとはいえ、アメリカ本土が攻撃されたショックから完全に抜け出せない映画人が少なからずいるのだろう。さらにボストンマラソンの会場でのテロ事件も記憶に新しく、そんな危機感が全米を覆っているというのも事実かと思う。

 そして、北朝鮮系ゲリラがホワイトハウスを占拠するという非常事態において、アメリカ当局が協力を呼びかけるのが中国とロシアとインドであるというのは失笑した。第七艦隊の拠点の一つがある我がニッポンは最初から存在しないかとのごとく扱われている。韓国の扱いはもっと酷く、政府中枢に易々とゲリラ側の人間が複数入り込むという失態を演じるばかりではなく、首相なんか人質にする価値も無いとばかりに簡単に撃ち殺されてしまう。

 アメリカにとっては中露印だけが交渉するに値する相手であり、核を持っている(らしい)北朝鮮はかろうじて悪役を振られているものの、その他の国は限りなく軽く見られているのだろう。こんな構図を見せつけられるに及び、やはり日本も他国からナメられないために核武装を議論すべきだと思ったりする(爆)。

 さて、ゲリラの奇襲により簡単に制圧されたホワイトハウス内で孤軍奮闘するのが、ジェラルド・バトラー扮する元シークレットサービスだ。ちょっと見れば「ダイ・ハード」に設定が似ているように思うが、緊張感や脚本の出来において雲泥の差がある。本作の主人公の行動は行き当たりばったり。しかも、無意味に強い。例えて言えば、「沈黙」シリーズのスティーヴン・セガールに近い。

 そもそも、正体不明のガンシップ(局地制圧用攻撃機)が堂々とワシントン上空に侵入してくる導入部から噴飯ものだ。さらには、いつの間にかホワイトハウスの周辺に武装した奴らが続々と集結している。公安当局はいったい何をやっていたのだろうか。相手に強力な武器があることを予見していながらヘリでの急襲に固執する軍幹部の脳天気さも、ただただ溜息が出る。

 まあ、要するにマジメに対峙するよりも突っ込みどころを指摘しながら笑って観るのがふさわしい映画だ。アントワン・フークアの演出はいつもながら大味。ただ、アクションシーンはハデなのでそれほど退屈はしない。

 モーガン・フリーマンやアーロン・エッカート、アンジェラ・バセットといった脇の面子も大した仕事をさせてもらっていない。そういえば「ホワイトハウス・ダウン」の監督はフークア以上に大雑把なローランド・エメリッヒなので、こっちもあまり期待出来ない(苦笑)。

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