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Channel: 元・副会長のCinema Days
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「美少女プロレス 失神10秒前」

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 84年にっかつ作品。当時のロマンポルノの一作だ。あこがれの大学生活、聖書研究会に入るはずの女主人公メグ(山本奈津子)だったが、なぜか無理矢理プロレス愛好会に入部させられてしまう。そこでの激しいシゴキに耐え、キャプテンの彩(渡辺良子)とタッグを組み、ライバル大学のチームと戦う。対する敵チームのしのぶ(小田かおる)はメグの恋がたきでもある。メグのボーイフレンドをしのぶが奪ってしまうという前歴があったのだ・・・・。

 女同士の争いを青春のエネルギーに置き換え、プロレスの形で昇華させるという構成がなかなかいい。監督は「ビー・バップ・ハイスクール」シリーズや「紳士同盟」で知られた、今は亡き那須博之。

 実はこの前に同じスタッフ・キャストによる「セーラー服百合族」シリーズというのがあって(こっちの方も実に面白かったが)、その続編ともいえる作品で、舞台が高校から大学に移っている。



 本作の素晴らしいところは、成人映画にもかかわらずクライマックスがからみの場面ではないことだ。それどころかスケベなシーンがフツーの成人向け作品に比べて少なく、一般映画としても通用してしまう。それもかなり上出来の・・・・。

 ホント絵に描いたような青春根性ドラマの手順をしっかり踏まえて展開するにもかかわらず少しもクサくないどころか、感心してしまう。これは作者がヒロインたちを愛情を持って描いているからとしか考えられない。

 ラスト15分間延々と展開するのは、もちろんクライマックスのプロレスの試合の場面である。これがまあ、一般映画でもこうはいかないと思うほど力が入っていて敢闘賞ものだ(和製「カルフォルニア・ドールズ」とも言える ^^;)。本職のレスラーも一人出ているが、ほとんどのキャストがプロレスは素人であるにもかかわらず、かなりの特訓を積んだらしくグイグイと盛り上げてくれる。

 戦い終えた二人がさわやかに次なる闘いを誓い合うラストシーンまで見事に演出に弛緩もなく、青春映画の佳作とも言うべき出来映えだ。山本奈津子と小田かおるのパフォーマンスも素晴らしい。成人映画だからってバカにするのは禁物だ。こういう作品もあったのだから(^^)。

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