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Channel: 元・副会長のCinema Days
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REVOLVERのスピーカーを聴いてみた。

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 イギリス南西部のプリマス発祥のオーディオメーカー、REVOLVER社のスピーカーを聴いてみた。日本では製品を置いてある店は少ないが、70年代後半の発足から現在まで幅広い価格帯のスピーカーおよびアナログプレーヤーを提供し、本国では評価の高いブランドだという。

 今回聴いたのはトールボーイ型のMusic Series 5で、駆動していたアンプはコントロールアンプにROTELのRC−1580とパワーアンプの同RB−1592という組み合わせだ。



 私はREVOLVER社のスピーカーに接したのは初めてだったのだが、これはかなり良い音だと思う。パッと聴いた感じはフワリとした美音調ながら、その背景には高い解像度とメリハリの良さがある。高音はストレスが無く伸びきり、低域も意外と腰が強い。

 ROTELのアンプでドライヴしていたせいもあるだろうが、音は暖色系で聴きやすい。音場は上下方向に広く、見通しが良い。ヒステリックな部分も見当たらず、長時間でのリスニングでも疲労感は少なそうだ。

 特筆すべきは指向性が全然シビアではないこと。先日聴いたFALの製品ほどではないが、リスニングポジションは相当広い。試聴したショップ店長の話がとても面白く、既存オーディオ機器や大手メーカーに対する批判がポンポン飛び出したが、その中の“指向性の厳しいスピーカーなんてのは不良品だ!”というセリフは私もある程度同意したい。

 だいたい、音楽を聴くのに部屋の特定ポイントで身じろぎもせずシステムに向かい合うというのは、ナンセンスだ。そんな求道者みたいな姿勢をリスナーに要求する製品およびそれを手掛けるメーカーは、消費者をナメていると思う。



 指向性がシビアなスピーカーの代表選手として独ELAC社のモデルが挙げられるが、案の定、店長氏はELACのスピーカーを舌鋒鋭く批判する。いわく“あれはそもそも高域ユニットがボロく、低音ユニットもそれに合わせて作っているから当然ボロい。結果として明後日の方向にしか音が飛んでいかない欠陥品の出来上がりだ”とのこと。まあ、私はELACのスピーカーは評価しているが(コンパクト型のみ。フロアスタンディング型は全然ダメ)、指向性の厳しさだけは如何ともし難いと思う。

 Music Series 5は定価が30万円で、実売が25万円ほどだ。そんなに高くなく、繋ぐアンプを選ぶような特定帯域での強調感もない。ちなみに、ROTELの一番安価なアンプであるRA−05SE(定価8万5千円)でドライヴしてみても、特に聴き辛くなるようなこともなく、スムーズに鳴ってくれた。

 実家のメイン・システムで使っている、とうの昔に飽きが来てしまったDIATONEのスピーカーをいつか更改しようと思いながら随分年月が経ってしまったが(笑)、最近ようやく“実行”に移そうかという気になってきた。おそらくMusic Series 5は有力候補になるだろう。もちろん、他にも評判の良い製品は数多くあるので、試聴を重ねてじっくりと選びたい。

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