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Channel: 元・副会長のCinema Days
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「アクアマン」

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 (原題:AQUAMAN )楽しめた。聞けば(現時点で)DC映画史上ナンバーワンの興行成績を記録したらしいが、それも頷けるほどの快作だ。上映時間は長めだが、見せ場を矢継ぎ早に繰り出し、一時たりとも退屈することがない。鑑賞後の満腹感は格別である。

 海底に広がるアトランティス帝国から地上に逃げ出した海底人の王女が、灯台守の男と知り合う。2人の間に生まれたアーサー・カリーは、成長して屈強な身体を持ち、猛スピードで海に潜り、海洋生物を操ることも出来る超人アクアマンとして海の平和を守っていた。だが、やがてアトランティス帝国は人類を征服しようと画策。その先頭に立っているのが、アーサーの異父弟であるオームであった。



 オームはアトランティスの王となって帝国を統一し、その勢いで地上に攻め入ろうとするが、それを阻止するにはアーサーが伝説の矛・トライデントを入手し、オーシャンマスター(海の覇王)として名乗りを上げるしかない。海底国ゼベルの王女メラの助力を得て、アーサーはアトランティスとの戦いに身を投じていく。

 何より、これ一本で“完結”しているのが良い。DCにしろマーヴェルにしろ最近はシリーズ物が多く、前作はもちろん前々作(あるいはその前)までチェックしておかないと話の前提さえ分からない。アクアマンも一応“ジャスティス・リーグ”の一員なのだが、本作には“他のメンバー”は出てこないし、主人公の生い立ちから紹介しているので、アメコミ好き以外の幅広い観客層にアピール出来る。

 監督ジェームズ・ワンのパワーは圧倒的だ。よく考えるとストーリーの辻褄が合わない箇所もあるのだが、それを感じさせないほどの勢いがある。主人公と敵役との格闘はもちろん、多人数を動員しての大々的な戦闘シーンから、派手なチェイス場面など、アクションの要素には事欠かない。しかも、それらが高いレベルで達成されている。

 海中シーンは多分に人工的ではあるが、独特の意匠によって目覚ましい美しさを獲得しているし、地上が舞台になるパートでも、シチリア島でのシークエンスはまるでジェームズ・ボンド映画のような盛り上がりを見せる。さらには家族愛や復讐劇、トライデントの在処を見付けるための謎解きといった要素も手際よく並べられ、観ていて飽きることがない。

 主演のジェイソン・モモアは、まさにハマリ役だ。見た目といいワイルドな物腰といい、海の超人そのもの。アンバー・ハードにヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、パトリック・ウィルソン等も適材適所。ウィレム・デフォーやニコール・キッドマン、さらにドルフ・ラングレンまで出てくるのだから楽しい。もしも続編が作られたら、また観たいものだ。

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