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Channel: 元・副会長のCinema Days
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「ごめん」

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 2002年作品。年上の少女に一目惚れした小学6年生の男の子の大奮闘を描く冨樫森監督作品。ひこ・田中による同名小説の映画化だ。これは面白かった。冒頭の、主人公の「精通」をめぐる爆笑ものの騒動により観客を引き込んだ後、終盤の疾走感あふれる怒濤の(?)クライマックスまでイッキに見せる。

 語り口も“大人から見下ろした”ような扱い方をせず、子供の視点をキープするように努めている。だから主人公をめぐるクラスメート等の各エピソードが絵空事にならない。



 そして、主人公の住む街が大阪市郊外でヒロインが京都市在住という設定もポイント高い。それぞれの街の雰囲気が二人の温度差に微妙に影響しており、カルチャー・ギャップ的なおかしさを生んでいる。

 主役の久野雅弘と櫻谷由貴花はイイ味出しているし、河合美智子や國村隼ら脇のサポートは万全。大友良英の音楽も気が利いている。残念ながら冨樫監督はこのあと“語る価値のある映画”を撮っていないが、今一度の奮起を期待したいものだ。

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