(原題:9 TO 5)80年作品。封切り当時はかなりヒットしたコメディだ。なるほど、その理由は察しが付く。大企業で働く3人のOLが、ストレスのたまる日常を吹き飛ばすべく、思い切った作戦に打って出る。しかも、ブラックユーモア仕立てでネタ自体は“ほどよく”辛辣だ。しかし、公開時点でも明朗すぎて緩いタッチが目立った本作、今見直せば随分と軽量級に映って物足りなく思うだろう。時代の流れというのは、そんなものだ。
夫と離婚して自立するハメになったジュディは、運良くロスアンジェルスにある複合企業に就職が決まる。だが、上司の副社長フランクは横暴な人物。彼の元先輩社員のバイオレットをはじめ、部下をアゴでこき使っていた。かと思えば、彼は金髪巨乳秘書のドラリーに執着し、彼女が既婚者であるにも関わらず、何かとちょっかいを出す。果てはフランクがドラリーと浮気してモノにしたというデマを流すに及び、彼女たちは怒り心頭。ジュディとバイオレット、そしてドラリーは共同して副社長をやりこめる戦略を練る。
確かにフランクは自己中心的な上司だが、極悪人というほどではない。対する女性3人組も、副社長からのセクハラやパワハラを受けているとはいえ、その迷惑度合いは現在のブラック会社なんかの比ではなく、コメディのネタになってしまうような誠に可愛いものだ。
しかもヒロイン達は正社員であり、身分不安定な契約社員でもなければ、決して安月給でコキ使われているわけでもない。話の背景や前提がそのようなものである限り、いくら自分勝手な上司を懲らしめようとも、リアルでエゲツない方法は採用されずにファンタジー方面に振られるしかないのだ。それを笑って済ませられるかどうかで、本作の受け取り方は違ってくる。
主演のジェーン・フォンダとリリー・トムリン、ドリー・パートンは好演で、何より“華”がある。副社長に扮するダブニー・コールマンも怪演だ。そして何よりパートンが歌う同名のテーマ曲が楽しい。コリン・ヒギンズの演出は無難にまとめているが、前作「ファール・プレイ」(78年)ほどの冴えは感じられない。引き続きそのフィルモグラフィを追いたかったが、彼は若くして世を去ってしまった、残念なことである。
夫と離婚して自立するハメになったジュディは、運良くロスアンジェルスにある複合企業に就職が決まる。だが、上司の副社長フランクは横暴な人物。彼の元先輩社員のバイオレットをはじめ、部下をアゴでこき使っていた。かと思えば、彼は金髪巨乳秘書のドラリーに執着し、彼女が既婚者であるにも関わらず、何かとちょっかいを出す。果てはフランクがドラリーと浮気してモノにしたというデマを流すに及び、彼女たちは怒り心頭。ジュディとバイオレット、そしてドラリーは共同して副社長をやりこめる戦略を練る。
確かにフランクは自己中心的な上司だが、極悪人というほどではない。対する女性3人組も、副社長からのセクハラやパワハラを受けているとはいえ、その迷惑度合いは現在のブラック会社なんかの比ではなく、コメディのネタになってしまうような誠に可愛いものだ。
しかもヒロイン達は正社員であり、身分不安定な契約社員でもなければ、決して安月給でコキ使われているわけでもない。話の背景や前提がそのようなものである限り、いくら自分勝手な上司を懲らしめようとも、リアルでエゲツない方法は採用されずにファンタジー方面に振られるしかないのだ。それを笑って済ませられるかどうかで、本作の受け取り方は違ってくる。
主演のジェーン・フォンダとリリー・トムリン、ドリー・パートンは好演で、何より“華”がある。副社長に扮するダブニー・コールマンも怪演だ。そして何よりパートンが歌う同名のテーマ曲が楽しい。コリン・ヒギンズの演出は無難にまとめているが、前作「ファール・プレイ」(78年)ほどの冴えは感じられない。引き続きそのフィルモグラフィを追いたかったが、彼は若くして世を去ってしまった、残念なことである。