福岡市中央区天神5丁目にある、福岡県立美術館にて開催されていた「生誕100年 山下清展 百年目の大回想」に足を運んでみた。この孤高の芸術家の、大規模な回顧展だ。実は私は彼の作品を実際に目にするのは初めて。それだけに、とても有意義な体験だった。
山下の幼少時から晩年まで、作品展示は万遍なく網羅されており、彼の手法の変遷やテクニックの向上ぶりが手に取るように分かる。特に、山下作品を特徴付ける“貼絵”の手法は精緻を極め、よくもまあこれだけ根気の要る仕事を続けられたものだと感心する。また、作品によっては彼自身のコメントが添えられていて、それがまたユーモラスかつユニークで興味深い。
印象に残った作品は、展示会のポスターにもなっている「長岡の花火」のほか、九州の人間としては馴染み深い「関門海峡」や「グラバー邸」に「桜島」、モチーフが斬新な「ソニコンロケット」、大胆な構図の「群鶏」などだ。また、ほぼ遺作の「東海道五十三次」は色付けされていないが、これが完成していたならば金字塔になったことだろう。
この美術展に行ったのは週末だったこともあり、かなりの人出だ。貸し切りバスで乗り付けた団体客みたいなのも来ていたようで、人気の高さが窺われる。
余談だが、山下清は映画やドラマの絶好の素材になっている。小林桂樹が山下を演じた堀川弘通監督の「裸の大将」(1958年)を手始めに、1980年代に芦屋雁之助主演で作られた「裸の大将放浪記」のシリーズが有名だ。近年では塚地武雅が山下に扮したドラマが何本か作られている。しかしながら、キャラクターの面白さばかりが前面に出て作品の神髄に迫っていないのではと思ったりもする(いずれも観たことが無いので、何とも言えないが)。
山下の幼少時から晩年まで、作品展示は万遍なく網羅されており、彼の手法の変遷やテクニックの向上ぶりが手に取るように分かる。特に、山下作品を特徴付ける“貼絵”の手法は精緻を極め、よくもまあこれだけ根気の要る仕事を続けられたものだと感心する。また、作品によっては彼自身のコメントが添えられていて、それがまたユーモラスかつユニークで興味深い。
印象に残った作品は、展示会のポスターにもなっている「長岡の花火」のほか、九州の人間としては馴染み深い「関門海峡」や「グラバー邸」に「桜島」、モチーフが斬新な「ソニコンロケット」、大胆な構図の「群鶏」などだ。また、ほぼ遺作の「東海道五十三次」は色付けされていないが、これが完成していたならば金字塔になったことだろう。
この美術展に行ったのは週末だったこともあり、かなりの人出だ。貸し切りバスで乗り付けた団体客みたいなのも来ていたようで、人気の高さが窺われる。
余談だが、山下清は映画やドラマの絶好の素材になっている。小林桂樹が山下を演じた堀川弘通監督の「裸の大将」(1958年)を手始めに、1980年代に芦屋雁之助主演で作られた「裸の大将放浪記」のシリーズが有名だ。近年では塚地武雅が山下に扮したドラマが何本か作られている。しかしながら、キャラクターの面白さばかりが前面に出て作品の神髄に迫っていないのではと思ったりもする(いずれも観たことが無いので、何とも言えないが)。