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Channel: 元・副会長のCinema Days
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「ゴーストバスターズ フローズン・サマー」

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 (原題:GHOSTBUSTERS:FROZEN EMPIRE)前作「ゴーストバスターズ アフターライフ」(2021年)よりも、出来はかなり落ちる。監督が交代したことが影響していると思われるが、この程度の筋書きで製作のゴーサインを出したプロデューサー側の責任が大きいだろう。とにかく、けっこう期待していただけに残念だ。

 オクラホマ州サマーヴィルでのバトルから2年。スペングラー家の一行はニューヨークに移り住み、ゴーストバスターズとして街に出没するお化けたちへの対処に追われていた。だが、末娘のフィービーはまだ15歳であり、母のキャリーや義父のゲイリーからはメンバーとして扱ってもらえない。



 そんなある日、元祖ゴーストバスターズの一員であったレイモンドが、怪しい男から不可思議な球体を渡される。その物体には、実は強い冷却能力を持つ魔神ガラッカが封印されていたのだ。手下のゴーストたちによって復活を果たしたガラッカは、ニューヨーク中を凍らせるという暴挙に出る。フィービーたちゴーストバスターズは、この危機に敢然と立ち向かう。

 予告編で流された、真夏のニューヨークで海の向こう側から突如として氷柱が大量に現れ、街は一瞬にして氷に覆われてしまうというインパクトのある場面は、当然のことながら映画本編では序盤あるいは前半に出てくるのだろうと思っていた。この怪異現象を受けて、ゴーストバスターズの活躍が始まるという段取りの方が受け入れやすい。

 ところが、実際に作品を観てみるとこのシークエンスはクライマックスに設定されている。何のことはない、予告編の時点で“ネタバレ”をやっているのだ。さらに言えば、このパート以外には見応えのある場面は無い。だからここをフィーチャーせざるを得なかったという、配給会社の苦渋の判断が窺われる(苦笑)。

 ならば序盤から中盤過ぎまでは何が展開するのかといえば、登場人物たちの緊張感の薄い日常と元祖ゴーストバスターズの面々による脱力系の演芸もどきだけ。マシュマロマンの“大量発生”には喜ぶマニアもいるのかもしれないが、こっちは“何を今さら”としか思わない。そして、ニューヨーク凍結のあとに出てくる敵の親玉は、かなりショボい。ゴーストバスターズの攻撃も芸が無く、画面が賑やかなわりには盛り上がりに欠ける。

 前作のジェイソン・ライトマンからメガホンを引き継いだギル・キーナンの腕前はピリッとせず、ドラマは平板に進むのみ。ポール・ラッドにキャリー・クーン、フィン・ウルフハード、マッケンナ・グレイスというバスターズに扮する者たちはあまり仕事をさせてもらえず、ビル・マーレイとダン・エイクロイドといった“昔の顔ぶれ”も、ただ出ているだけ。果たして、本作の続編はあるのだろうか。そういえば80年代の初期シリーズは2本で終わってしまった。

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