2021年作品。佐藤正午による原作小説は読んでいないが、まさかこれほど面白くないとは想像しがたい。とにかく、本作はまるで映画になっておらず訴求力はゼロだ。プロデューサーは脚本のチェックをしていなかったのだろうか。あるいは、監督の人選を誰かに丸投げしていたのかもしれない。とにかく、斯様な企画が通ってしまったこと自体、邦画界の“闇”みたいなものを感じずにはいられない。
直木賞作家の津田伸一は、都内のバーで担当編集者の鳥飼なほみに執筆中の新作小説を読ませていた。有名作家の作品にいち早く目を通すことが出来て喜んでいる鳥飼だったが、津田の話を聞いていると、小説の内容が単なるフィクションとは思えなくなってくる。
その小説の中身だが、主人公の津田は富山市でデリヘルの運転手を勤めているという設定だ。貧乏暮らしで、知り合いの古本屋の主人に借りた3万円すら返せない有様。ある日、彼は行きつけの喫茶店で毎晩小説を朝まで呼んでいる秀吉という男に声を掛ける。それが切っ掛けになり、津田は地元の暴力団員などが横行する剣呑な世界に足を突っ込むことになる。
現実とフィクションとをトリッキィに交叉して描きつつ、その中に犯罪サスペンスを織り込んで盛り上げていこうという狙いは分かるが、あまりにも作劇が低レベルなので観ている間は眠気との戦いに終始する。各シークエンスがバラバラに配置されているだけで、互いの相乗効果は見出せない。しかも、それぞれのドラマがさっぱり面白くない。
主人公の行動目的は不明で、周囲のキャラクターも何をどうしたいのか分からないまま、上映時間だけが過ぎていく。終盤にはドンデン返しみたいな展開も見られるのだが、段取りが不十分であるため自己満足しているのは作者だけみたいな案配だ。
タカハタ秀太(脚色も担当)の演出は冗長で、テンポが悪くメリハリに欠ける。主役の藤原竜也をはじめ、風間俊介に佐津川愛美、坂井真紀、濱田岳、ミッキー・カーチス、リリー・フランキー、豊川悦司、森カンナなど悪くない面子を揃えているだけに不満が残る。もっとも、土屋太鳳に西野七瀬という演技力がアレな者たちも起用されているのでキャストは万全ではないが・・・・。
直木賞作家の津田伸一は、都内のバーで担当編集者の鳥飼なほみに執筆中の新作小説を読ませていた。有名作家の作品にいち早く目を通すことが出来て喜んでいる鳥飼だったが、津田の話を聞いていると、小説の内容が単なるフィクションとは思えなくなってくる。
その小説の中身だが、主人公の津田は富山市でデリヘルの運転手を勤めているという設定だ。貧乏暮らしで、知り合いの古本屋の主人に借りた3万円すら返せない有様。ある日、彼は行きつけの喫茶店で毎晩小説を朝まで呼んでいる秀吉という男に声を掛ける。それが切っ掛けになり、津田は地元の暴力団員などが横行する剣呑な世界に足を突っ込むことになる。
現実とフィクションとをトリッキィに交叉して描きつつ、その中に犯罪サスペンスを織り込んで盛り上げていこうという狙いは分かるが、あまりにも作劇が低レベルなので観ている間は眠気との戦いに終始する。各シークエンスがバラバラに配置されているだけで、互いの相乗効果は見出せない。しかも、それぞれのドラマがさっぱり面白くない。
主人公の行動目的は不明で、周囲のキャラクターも何をどうしたいのか分からないまま、上映時間だけが過ぎていく。終盤にはドンデン返しみたいな展開も見られるのだが、段取りが不十分であるため自己満足しているのは作者だけみたいな案配だ。
タカハタ秀太(脚色も担当)の演出は冗長で、テンポが悪くメリハリに欠ける。主役の藤原竜也をはじめ、風間俊介に佐津川愛美、坂井真紀、濱田岳、ミッキー・カーチス、リリー・フランキー、豊川悦司、森カンナなど悪くない面子を揃えているだけに不満が残る。もっとも、土屋太鳳に西野七瀬という演技力がアレな者たちも起用されているのでキャストは万全ではないが・・・・。