(原題:GODZILLA VS. KONG )本来ならば盛り上がってしかるべき題材だが、作りが雑で気勢が削がれる。少なくとも前作「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」(2019年)よりもヴォルテージが低い。また、このシリーズが今作で“打ち止め”である様相を呈している。工夫次第でもっとアイデアが出そうな素材だと思うのだが、残念な話だ。
怪獣調査の国際機関“モナーク”は、髑髏島に作られた基地でキングコングを収容し監視していた。ある日、巨大テクノロジー企業“エイペックス・サイバネティクス”の本社を突如としてゴジラが襲う。いずれゴジラがコングの居場所を突き止めると予想した“モナーク”は、コングの故郷と思われる地球内の空洞への入り口がある南極にコングを移送しようとするが、そこにゴジラが現れて怪獣同士のバトルが勃発する。一方、エイペックス社に潜入していた陰謀論者のバーニーは、破壊し尽くされた社内で謎の装置を発見。“モナーク”の生物学者マーク・ラッセルの娘マディソンらと一緒に、エイペックス社の陰謀を探ろうとする。
コングの出自が地下世界だというモチーフは唐突に過ぎるし、ならば他の怪獣もそうなのかといえば、どうも違うらしい。コングが“故郷”で見つける斧状の武器も、正体不明。そもそもバーニーとマディソンのパートは果たして必要だったのか疑問だし、“モナーク”本体のエピソードとバーニーたちの行動とを強引に結び付けようとしたため、終盤では無理筋の展開が目立ってくる。
アメリカ映画であるためか、描写はゴジラよりキングコングの方に重きが置かれているが、コングと心を通わせる少女が登場したりして、怪獣としてのコングの凄みが薄れてしまったのは不満だ。エイペックス社の企みは当初からネタが割れるようなシロモノだし、クライマックスに登場する“あの怪獣”のデザインはパッとしない。
アダム・ウィンガードの演出は、怪獣の取っ組み合いに限れば良くやっていたとは思うが、登場人物の掘り下げは浅い。特に、前回まで渡辺謙が演じた芹沢猪四郎博士の息子の芹沢蓮は、何しに出てきたのか分からない。アレクサンダー・スカルスガルドにミリー・ボビー・ブラウン、レベッカ・ホール、デミアン・ビチル、小栗旬といった顔触れはいずれも印象に残らず。一応、前作までの“伏線”はすべて回収されているためか、次回作を匂わせるモチーフは見当たらず、エンドクレジット後のエピローグも無し。どうにも不満の残る出来映えだ。
怪獣調査の国際機関“モナーク”は、髑髏島に作られた基地でキングコングを収容し監視していた。ある日、巨大テクノロジー企業“エイペックス・サイバネティクス”の本社を突如としてゴジラが襲う。いずれゴジラがコングの居場所を突き止めると予想した“モナーク”は、コングの故郷と思われる地球内の空洞への入り口がある南極にコングを移送しようとするが、そこにゴジラが現れて怪獣同士のバトルが勃発する。一方、エイペックス社に潜入していた陰謀論者のバーニーは、破壊し尽くされた社内で謎の装置を発見。“モナーク”の生物学者マーク・ラッセルの娘マディソンらと一緒に、エイペックス社の陰謀を探ろうとする。
コングの出自が地下世界だというモチーフは唐突に過ぎるし、ならば他の怪獣もそうなのかといえば、どうも違うらしい。コングが“故郷”で見つける斧状の武器も、正体不明。そもそもバーニーとマディソンのパートは果たして必要だったのか疑問だし、“モナーク”本体のエピソードとバーニーたちの行動とを強引に結び付けようとしたため、終盤では無理筋の展開が目立ってくる。
アメリカ映画であるためか、描写はゴジラよりキングコングの方に重きが置かれているが、コングと心を通わせる少女が登場したりして、怪獣としてのコングの凄みが薄れてしまったのは不満だ。エイペックス社の企みは当初からネタが割れるようなシロモノだし、クライマックスに登場する“あの怪獣”のデザインはパッとしない。
アダム・ウィンガードの演出は、怪獣の取っ組み合いに限れば良くやっていたとは思うが、登場人物の掘り下げは浅い。特に、前回まで渡辺謙が演じた芹沢猪四郎博士の息子の芹沢蓮は、何しに出てきたのか分からない。アレクサンダー・スカルスガルドにミリー・ボビー・ブラウン、レベッカ・ホール、デミアン・ビチル、小栗旬といった顔触れはいずれも印象に残らず。一応、前作までの“伏線”はすべて回収されているためか、次回作を匂わせるモチーフは見当たらず、エンドクレジット後のエピローグも無し。どうにも不満の残る出来映えだ。