(原題:Executive Decision)96年作品。お手軽なアクション編なのだが、見逃せないネタが仕込まれていて嫌いになれないシャシンである(笑)。航空パニック・アクションとしては「パッセンジャー57」(92年)や「ユナイテッド93」(2006年)ほどではないが、後期の「エアポート」シリーズなどよりは出来は良い。
首都ワシントン行きの旅客機がハイジャックされる。犯人のテロリストの親玉ハッサンは、服役中の組織のリーダーを釈放することを要求する。もしも従わない場合は、機内に持ち込んだ毒ガスをワシントンの上空からバラまくと脅迫。トラヴィス中佐率いる米陸軍テロ対策特殊部隊と、軍情報部顧問のグラント博士は、空中輸送機を旅客機にドッキングさせて機内に人員を送り込むという作戦を立てる。
ところが思わぬトラブルによって輸送機が離脱。旅客機内に到達したのはグラントを含めて6人のみだった。彼らはテロリストの監視の目をかいくぐり任務を遂行しなければならないのだが、どうやらガス噴射装置の起爆スイッチを持っている者は、乗客の中に紛れ込んでいることを察知する。
何よりウケたのは、当初主役と思われたトラヴィス中佐があっさりと前半で“退場”してしまうこと。そもそも演じているのがスティーヴン・セガールなのだ。この究極の俺様主義で知られる男が、易々と主役の座をグラントに扮したカート・ラッセルに明け渡すという、前代未聞の椿事が起こることだけでも、本作の存在価値はある。
意外と活劇シーンは少ないが、狭い機内で虚々実々の駆け引きが展開するのはけっこう見応えがある。ハル・ベリーが演じるCAの活躍や、グラントが実戦には疎い学究肌の人間であるという設定は悪くない。スチュアート・ベアードの演出はソツがなく、長めの上映時間も飽きさせずに観客を引っ張ってくれる。敵役のデイヴィッド・スーシェも適役だ。音楽は何と大御所のジェリー・ゴールドスミスが担当しており、大作感を醸し出しているのが面白い。
首都ワシントン行きの旅客機がハイジャックされる。犯人のテロリストの親玉ハッサンは、服役中の組織のリーダーを釈放することを要求する。もしも従わない場合は、機内に持ち込んだ毒ガスをワシントンの上空からバラまくと脅迫。トラヴィス中佐率いる米陸軍テロ対策特殊部隊と、軍情報部顧問のグラント博士は、空中輸送機を旅客機にドッキングさせて機内に人員を送り込むという作戦を立てる。
ところが思わぬトラブルによって輸送機が離脱。旅客機内に到達したのはグラントを含めて6人のみだった。彼らはテロリストの監視の目をかいくぐり任務を遂行しなければならないのだが、どうやらガス噴射装置の起爆スイッチを持っている者は、乗客の中に紛れ込んでいることを察知する。
何よりウケたのは、当初主役と思われたトラヴィス中佐があっさりと前半で“退場”してしまうこと。そもそも演じているのがスティーヴン・セガールなのだ。この究極の俺様主義で知られる男が、易々と主役の座をグラントに扮したカート・ラッセルに明け渡すという、前代未聞の椿事が起こることだけでも、本作の存在価値はある。
意外と活劇シーンは少ないが、狭い機内で虚々実々の駆け引きが展開するのはけっこう見応えがある。ハル・ベリーが演じるCAの活躍や、グラントが実戦には疎い学究肌の人間であるという設定は悪くない。スチュアート・ベアードの演出はソツがなく、長めの上映時間も飽きさせずに観客を引っ張ってくれる。敵役のデイヴィッド・スーシェも適役だ。音楽は何と大御所のジェリー・ゴールドスミスが担当しており、大作感を醸し出しているのが面白い。