内田吐夢監督による1929年製作のサイレント映画。島耕二扮する大金持ちのボンボンが、ひょんなことからルンペンの身分に転落(?)。日雇い人夫として、今までやったことのなかった“労働”に励むうちに、勤労の価値と素敵な彼女を得ることになるという、当時流行っていた“傾向映画”の一本。
こういう“身分取り替えネタ”は古今東西くさるほど取り上げられているけど、そこは内田監督、娯楽映画として十分な要素を網羅し、社会風刺も散りばめつつ、しかもコメディとして大いに笑わせ、結果50分の上映時間に収めているのは興味深い。このネタを今のハリウッドでやったら、余計な場面を水増しして2時間以上になっていただろう。娯楽作品は短いに限る。
まあ、自分本位に生きていた主人公が、少しばかり世間の荒波に揉まれたところで簡単に変われるはずもなく、元の鞘に戻る終盤でも目覚ましい意識の向上は見受けられない。だが、それが大きな瑕疵にはなっておらず、ストレス無く楽しめるのだから文句は言うまい。
島耕二は1939年から監督に転身。数々のヒット作や秀作を生み出しているが、この映画では軽妙な二枚目を楽しそうに演じて好印象。吉井康や滝花久子、沖悦二、村田宏寿、田村邦男といった脇の面子も良い。
余談だが、私は本作を某映画祭で観ている。その際に上映前には“この映画はサイレントです”と運営側が断っているにもかかわらず、上映が始まると“音が出ないぞー!”と文句言う奴がいて、周囲のひんしゅくを買っていた(笑)。上映時の注意事項は、ちゃんと聞くものである。
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まあ、自分本位に生きていた主人公が、少しばかり世間の荒波に揉まれたところで簡単に変われるはずもなく、元の鞘に戻る終盤でも目覚ましい意識の向上は見受けられない。だが、それが大きな瑕疵にはなっておらず、ストレス無く楽しめるのだから文句は言うまい。
島耕二は1939年から監督に転身。数々のヒット作や秀作を生み出しているが、この映画では軽妙な二枚目を楽しそうに演じて好印象。吉井康や滝花久子、沖悦二、村田宏寿、田村邦男といった脇の面子も良い。
余談だが、私は本作を某映画祭で観ている。その際に上映前には“この映画はサイレントです”と運営側が断っているにもかかわらず、上映が始まると“音が出ないぞー!”と文句言う奴がいて、周囲のひんしゅくを買っていた(笑)。上映時の注意事項は、ちゃんと聞くものである。
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