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Channel: 元・副会長のCinema Days
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「第16回九州ハイエンドオーディオフェア」リポート(その1)

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 去る3月29日から31日にかけて、福岡市博多区石城にある福岡国際会議場で開催された「九州ハイエンドオーディオフェア」に行ってきた。まず目を引いたのは、YAMAHAの新しいアナログプレーヤーGT-5000である。

 外観はかつてのベストセラー機で私も所有している同社のGT-2000(発売は80年代)とよく似ている。だから最初は誰しもGT-2000のモデルチェンジ版だと思うかもしれないが、中身は別物だ。ダイレクトドライブ方式のGT-2000に対し、このGT-5000はベルトドライブ方式を採用。さらにトーンアームはピュア・ストレート型が装着されている。



 とはいえ、GT-2000がリリースされた当時にも、オプションとしてYSA-1というストレートアームが用意されていた。さらには某評論家の監修によるピュア・ストレート型のYSA-2も、限定モデルとして存在していた。今回はそのYSA-2の相当品が標準装備として“復刻”されたという見方もできる(もちろん、構造は異なるのだろうが)。

 余談だが、ストレート型のアームがあまり好みではなかった私は、当時SAECから限定発売されたGT-2000用のJ字型アームであるWE-407/GTに換装し、現在も使っている。

 肝心のGT-5000の音だが、同クラスの各社のプレーヤーと聴き比べたわけではないので確かなことは言えないものの、かなりの安定感があったと思う。なお価格は60万円で、かつてのGT-2000の4倍以上だが、法外なプライスの付いた高級レコードプレーヤーが目立つ昨今では、案外リーズナブルな値付けなのかもしれない。

 同ブースでは、YAMAHAが久々に発表したセパレートアンプのC-5000とM-5000も展示されていた。だが、C-5000の外観はプリアンプらしくない。まるでプリメインアンプだ。個人的には昔の同社のC-2のような“コントロールアンプらしい(?)デザイン”にして欲しかったというのが本音である(笑)。



 2018年末に発表されたJBLのスピーカーL100 Classicのエクステリアと音色には、すっかり参ってしまった。このモデルは70年代前半に同社がリリースしたL100 Centuryの復刻版だ。私はL100 Centuryを聴いたことはないが、同社の民生用機であるLシリーズは、私が若い頃に初めて接した同社のモデルだった。そして、その音色には心底驚かされたものだ。それまで国産機しか聴いたことが無かった私に、世の中にはこういう“明るく闊達な音”というものが存在するということを知らしめてくれた。

 もちろんL100 Classicの音は昔と同等ではなく、今風にリファインされているのだろう。それでも、そのサウンドはかつての感慨を呼び起こさせるには十分だった。さらに鮮やかなフロントグリルも手練れのオーディオファンの琴線に触れるものがある。価格は50万円以下で、犯罪的に高くないのも嬉しい。今では個人的にJBLの音とは縁遠くなったが、このモデルだけは危うく衝動買いしそうだった(笑)。

(この項つづく)

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